女流コラムニストとして有名な酒井順子のコラム集。テーマはひたすら「おばさん」。独特の視点とユーモアを交えた、なめらかな文章で読ませる。ところどころ笑った。
いまだにワープロ専用機(PCではない)にこだわり、若者に対して「おふくろタイプ」にも「あねごタイプ」にもなれない。遠視や胃もたれの意味を実感し、肘や膝や二の腕や歯茎に老化を見て恐れおののき、口紅にグロスを塗る気持ちは抑えられず、熟女もののAVを丹念にチェックし、女性達の賢明な努力にも関わらずナイーブな日本男子がアニメ美少女になびいてゆくのを嘆き、粘液の衰えを嘆き、松田聖子のコンサートで「青い珊瑚礁」のイントロが流れると懐かしさで思わず涙する。そういう、自称「おばさん未満」のビミヨーな気持ちが、周辺の知人の状況を交えながら面白おかしく綴られている。