この本に興味を示された方にまず最初に申し上げたい事はひとつ。
この作品は「自閉症児育児マニュアル漫画」ではありません。
かの名作「光とともに…」と同じものを求めても、その望みは叶いません。
ご購入の際は是非お気をつけてください。
さて、昨年末に(誠に不本意な形ではあるものの)完結した本編についてですが、私の感想は、レビュータイトルそのままです。
『見た目、明らかな障害があるわけでもない。しかし”普通”の子とはちょっと違うこだわりと視点を持つ子供が、両親や周辺の人々の温かで真摯な思いやりに見守られ導かれ、自分に相応しい居場所を見つけのびやかに成長してゆく様』
を描いた作品です。
上記で「自閉症児育児マニュアル漫画」ではないと申し上げましたが、残念ながら未収録となってしまったこの2巻以降の展開では、その「自閉症、障害」って何だろう?という深く重い問いかけが、読者に向けられてます。
作者は、その解釈と答えの一つを、たみちゃんの園長の口から語らせています。
主人公のたみこちゃんは、”普通”の幼稚園から退園を要求され(ここがトットちゃんと重なります)ますが、スペクトラム圏内ということで自閉症の療育対象からは外されてしまいます。
この”どっちつかず”の宙ぶらりんな扱いに困惑されている親御さんって実は多いのではないかと思っています。
そのような親御さんとお子さん達にこそ、この作品を読んでいただきたいと願っています。
私自身、”ちょっとユニーク”な娘達を持つ親の一人です。2人とも既に成人に近い年頃ですが未だ困惑と困難と悩みの日々です。
そんな生活のもろもろにくたびれた心が萎れかけた時、この本を開きます。
たみちゃんのお母さんの、園長先生の、商店街の人たちの言葉、たみちゃんの言葉一つ一つに、共感し、自分が見失いかけていた大切な事に気付かされます。
紙媒体では中断された形になってしまいましたが、「かんかん橋を渡って」同様、別媒体での完結を強く希望します。
最後になりましたが、「光とともに…」が事実を元にしたことを引き合いに、この作品が絵空事だというご意見があるようですが、たみちゃんは作者の娘さんがモデルとなっていますのでその見解は誤りであると明言させていただきます。