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表題作はおてんば娘お吉ことおちゃっぴいが縁談を拒み逃避して活躍します。
副タイトルの江戸前浮世気質から見てもわかるようにいちばんこの短編集の特徴をあらわした作品となっている。おきゃんな“おちゃっぴい”が活躍するところは声援を送らずにいられません。
それ以外は大工・岡引・薬師問屋が活躍しますが、私は薬師問屋の菊五郎が特に好きで、いつまでも過去の恋愛を引きずっている登場人物がある意味微笑ましく感じました。
本作は宇江佐さんの作品の中で最も庶民的で江戸っぽい作品かなあと思います。
それだけにそれぞれの主人公が啖呵を切るシーンがとってもみものとなってます。
どれもが泣いて笑えるハートウォーミングストーリーですが、『深川恋物語』のようなしっとりとした雰囲気はないような気がします。
切なさよりも笑いに重点を置いた人情時代小説と言えそうです。
最近はどうして?という悲しすぎる事件が多くて、暗い気分になるばかりですが、この作品の登場人物たちは、思わず抱きしめたくなるくらい、根が「いい奴」なんですね。ちょっと昔は誰もがこうだったなあ。特別のヒーロー、ヒロインではなくても、市井の人びとにこころがあった時代。宇江佐ワールドの真骨頂ですね。
どの作品もテレビドラマ化してみたくなるくらい細部まで楽しめ、しまいには(脳裏で)映像化までして楽しんでしまいました。
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