天才バカボン、もーれつア太郎(ニャロメ)などでもおなじみの、赤塚不二夫の作品である。昭和39年にかかれた作品。この頃は、イヤミ、デカパン、チビ太などの性格・役割が明瞭になり、「おそ松くん」という作品が安定してきているように見える。表紙のイヤミのシェー!が、それを表している。自分が小学生のころ(昭和48年頃)すでに「おそ松くん」の雑誌連載は終わっており、すべて単行本になっていたが、あまりにたくさんあり、お小遣いの少ない自分は、ところどころ適当に買っていた。その買った単行本のなかにはいっていたものがこの巻には含まれており、なつかしいながらも、あまりのドタバタとギャグのため思わず声を立てて笑ってしまった。
大人になって読んで気づいたことは、昔の日本はみんなが貧しかったことである。その貧しい中でもさらに貧富の差があり、一定の差別があったようだ。チビ太は概ね貧しい子を演じているが、その明るい性格と、ずるい性格でそれを乗り切っている。ずるいのはチビ太だけではなく、六つ子も六つ子の両親もイヤミも負けずにずるい。こんな風に書くと貧すれば鈍するのように思われるかもしれないが、赤塚不二夫はそうではなく、その時代をただ忠実に描き、ドタバタとギャグでカラリと笑い飛ばしているように思える。また赤塚不二夫の自伝によると、チビ太にはモデルがいるとのこと。ときにチビ太にいい事が起こるのは、赤塚不二夫のチビ太に対する愛情によるものかもしれない。