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おそろし 三島屋変調百物語事始
 
 

おそろし 三島屋変調百物語事始 [単行本]

宮部 みゆき
5つ星のうち 3.7  レビューをすべて見る (43件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

ある事件を境に心を閉ざした17歳のおちかは、神田三島町の叔父夫婦に預けられた。おちかを案じた叔父は、人々から「変わり百物語」を聞くよう言い付ける。不思議な話は心を溶かし、やがて事件も明らかになっていく。

内容(「BOOK」データベースより)

17歳のおちかは、実家で起きたある事件をきっかけに、ぴたりと他人に心を閉ざしてしまった。ふさぎ込む日々を、江戸で三島屋という店を構える叔父夫婦のもとに身を寄せ、慣れないながら黙々と働くことでやり過ごしている。そんなある日、叔父・伊兵衛はおちかを呼ぶと、これから訪ねてくるという客の対応を任せて出かけてしまう。おそるおそる客と会ったおちかは、次第にその話に引き込まれていく。いつしか次々に訪れる人々の話は、おちかの心を少しずつ溶かし始めて…哀切にして不可思議。宮部みゆきの「百物語」、ここに始まる。

登録情報

  • 単行本: 429ページ
  • 出版社: 角川グループパブリッシング (2008/7/30)
  • ISBN-10: 4048738593
  • ISBN-13: 978-4048738590
  • 発売日: 2008/7/30
  • 商品の寸法: 18.6 x 13.8 x 3.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.7  レビューをすべて見る (43件のカスタマーレビュー)
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16 人中、15人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0 一つ一つの物語の高い完成度にくらべ人の思いが伝わらない, 2008/8/29
By 
レビュー対象商品: おそろし 三島屋変調百物語事始 (単行本)
宮部みゆき独特のファンタジーと奇怪さが物語を高揚させる時代小説です。

こころに傷を負ったおちかと同じような苦しみを持っているひととの対話という形で、一話ごとにすすめられていく構成は読みやすく、また、季節を感じさせる植物や、また、舞台となるお屋敷や部屋の中の空気感と様子の描写は相変わらず細微であり美しい事に感銘します。

しかし、最後には、一話一話に登場した死霊や生霊を含んだ様々な登場人物が同じ舞台に登場し、彼女を支えんと、のろわえ、意思を持った”お屋敷”という大敵に対峙するのですが、なぜ彼らをしてそこまで彼女の為にするのかというところの説得力に欠けていたり、一体その怨念の正体がなんであったのか、というところがよくわからないままに終焉を迎えるのでなんだか納得のいかないままだったという感が否めません。

また、今回も、一筋縄ではいかない人の気持ちの交錯を緻密に描写していいます。泣かせる境遇にある人物も、生き方に筋の通った好感の持てる人々が出てくるのですが、きっとあまりに登場人物が多いせいか、一人一人の思いやそれを映した行動が、いつもの宮部作品のように、読み手の心の芯まで届いてくるまえで描写が終わっている感が拭えません。

それでも、一つ一つの物語は、映写をみているようにおもしろいことにはかわりませんので、人情ものというよりは、百物語集の一部として読むと十分以上に楽しめると思いますし、宮部作品の別格の秀悦性に変わりはありません。
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22 人中、20人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 「お! これは、読ませるじゃないか」と、いつしか夢中で読みふけっていた, 2008/8/10
By 
東の風 (埼玉県幸手市) - レビューをすべて見る
(VINEメンバー)    (トップ100レビュアー)   
レビュー対象商品: おそろし 三島屋変調百物語事始 (単行本)
 江戸の神田三島町の一角に店を構える袋物屋の三島屋。訳あって、その店の主人である叔父夫婦のもとに預けられ、働くことになった十七歳のちかが、店の「黒白の間」で、そこを訪れる人たちの不思議で怪しい話を聞いてゆく。不思議で怪しい、切なさと怖さ、恨みと憎しみ、割り切れぬ思いなどが絡まり合ってゆく。曰く、変調百物語。その聞き手となった主人公のちかが、語り手となる人たちから百物語の話を聞いていくことで、語り手とそこに関わる人たちの呪いを浄化し、それとともに、自らが負った災厄の根っこを見つめ、逃げずに相対してゆくようになるのですね。

 著者の『あかんべえ』と好一対の、健気な少女と幽霊あるいは幽鬼たちが心を触れ合わせ、それぞれに浄化、変容、再生していく物語。第一話「曼珠沙華(まんじゅしゃげ)」の話から、「お! これは、読ませるじゃないか」と、話の中に引っ張り込まれ、「凶宅」「邪恋」「魔鏡」と読み進めていくうちに、いつしか夢中で読みふけっていました。とりわけ、「魔鏡」「家鳴り(いえなり)」と続く終盤、物語の第四コーナーの一瀉千里、怒涛の勢いは圧巻。「魔鏡」に出てくる美しい登場人物は、殊に印象強烈。怖かったなあ。上村松園の『焔(ほのお)』という絵に描かれた女性がゆくりなくも思い出されまして、ぞおっとしました。

 愛する心と憎む心、気遣う心と悪意の心、そうした人の思いというのは表裏一体、紙一重のところにあるのだなあと、本書をひもといていくうちに、しみじみ感じ入ってしまいましたねぇ。登場人物の伊兵衛の言う、<何が白で何が黒かということは、実はとても曖昧なのだよ>との言葉が、ことのほか印象深く、忘れられません。
 
 蛇足ながら、「最終話 家鳴り」の中、ある人物が言う「姉さんが来た、姉さんが来た」という台詞のことで。ここはおそらく、著者の敬愛する岡本綺堂『半七捕物帳』の記念すべき第一話「お文(ふみ)の魂」を念頭に置いています。本書をはじめ、宮部さんの江戸時代ものの小説の雰囲気、なかでも怪しの雰囲気には、岡本綺堂の『半七捕物帳』『三浦老人昔話』『青蛙堂鬼談(せいあどうきだん)』などの作品に非常に通じるものがあります。未読の方は、そちらもぜひ、お読みになることをおすすめいたします。
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11 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0 怪談としてはなかなか。しかし……?, 2008/10/15
レビュー対象商品: おそろし 三島屋変調百物語事始 (単行本)
1話が一番完成度が高いように感じました。2話もなかなかの怖さでしたが最終話に繋がっていくと思うとちょっと……。そして主人公自身の話である3話が挟まり、4話は(話の内容自体は怖いですが)主人公の心を癒すためのお話。最終話は……展開がかなり強引なものに感じました。

このお話は最終話が始まった辺りから様々な場面で不自然に感じられるというか、作者がそう言わせたかったから唐突に言わせてみた、という印象を多々受けました。無理矢理書き繋いでいるという感じです。主人公の心が癒されていく過程において、主人公がお世話になっている叔母さんの言葉(主人公が気にかけていなかった人々はどうなるのか)というような台詞の言い回しなどに違和感を感じたり、ラストで敵?を説得するシーンもなんだか主人公一人で色々言っていて、読者は相当おいてけぼりにされているような。。。

宮部さんの時代小説でこのような強引な印象を受けたのは初めてでしたので驚きました。この作品は短編集で出した方がよかったのではないかと思います。無理矢理救済ストーリーにしなくてもよかったのでは……なんだか主人公が救われているのかいないのかよくわからないまとめになっていたように感じてすっきりしませんでした。そして最後に出会ったキャラとの会話から続き物になる予感がしました。次のお話でこの消化不良な部分に関して掘り下げてもらえればいいのですが。良助さんのこととか。

長編としてはあまり……と感じましたが各話の怪談は怖くて物悲しさが漂っていてよかったと思います。特に彼岸花の話がお気に入りです。
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