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おせっかい教育論
 
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おせっかい教育論 [単行本]

鷲田清一 , 内田樹 , 釈徹宗 , 平松邦夫
5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

教育とはビジネスではなく、個人の利益追求でもなく、もちろん商品でもない。その本質は「おせっかい」である──。 日本有数の思想家、大学総長、住職、大阪市長の4人が、「街場の学び」と「これからの教育」、そして、それを支える「共同体の再生」について語り合った。 2回で計6時間以上にわたった、3度目はないような濃密な座談会を完全収録。 「知識を得たり、技術を身に付けたり、資格を取ったりして、それで高い年収を得たり、社会的地位や威信を獲得したり、そういう自己利益を達成するために人は教育を受けるのだという思想が広まってしまった。それが教育崩壊の根本にあると思います(本文より)」という内田樹氏の問題提起に始まり、教育を通してニッポン社会の歪みをズバズバ指摘していく、「目からウロコ」の1冊。 第一夜(2009年10月1日、ナカノシマ大学での座談会)、 第二夜(2010年1月、大阪市内某所での完全クローズド座談会)に加え、本書のために4氏が新たに書き下ろした「教育論」(2010年7月)を収録。 中沢新一氏の推薦帯付き。

内容(「BOOK」データベースより)

教育とはビジネスではなく、個人の利益追求でもなく、もちろん商品でもない。その本質は「おせっかい」である―。江戸時代から「自前で学ぶ」精神が脈々と息づく大阪・中之島に4人の賢者が集い、「街場の学び」と「これからの教育」についてまったりと、でも真剣に語り合った。

登録情報

  • 単行本: 218ページ
  • 出版社: 140B (2010/9/28)
  • ISBN-10: 4903993108
  • ISBN-13: 978-4903993102
  • 発売日: 2010/9/28
  • 商品の寸法: 18.6 x 12.8 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
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最も参考になったカスタマーレビュー
14 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 走川
それにしても錚々たるメンバーを集めたものです。
大阪大学総長、大阪市長、浄土真宗本願寺住職、
そして内田樹先生と来ました。

それもまたクセのある、一筋縄ではいかないような、
ツワモノぞろいです。

そんな4人が、これまた出口のない教育論を語るわけです。
出口がないというか、無限にあるというか、
その大風呂敷の拡げ方が、われわれに問題提起しているのです。

「教育の荒廃」が叫ばれ、みんななんとかしないといけないと分かっている。
分かっているけれど安倍内閣のときに行った、
「教育再生」を振り返ればわかるように、
トップが変われば、そのときのトップの意向で、
教育という現場の方向づけが簡単に変えられていいのかという問題がある。

そして締めくくりで内田先生が提示しているように、
「絶えず査定され、考課され、格付けされて、評価の高いものは報酬を受け、
評価の低いものは排除される」というストレス圧下のおかれた状況。

まるでグローバル化したビジネス戦争の現場と変わらないじゃないですか。
「ゆとり教育」がダメということになると、この振れ幅の極端なこと。

いま教育の現場には「誇りと自信と笑い」が必要であると。
それは日本社会全体にも共通している命題であるとも思います。

「処罰」をモティベーションとして動くシステムを、
「恫喝」から「敬意」に、「査定」から「支援」に、
「管理」からフリーハンドに。

まこと言い当てていると思います。

賛否両論あるでしょうが、それを思考するところに、
疑問を呈するところにこの本の意義があると思います。
このレビューは参考になりましたか?
17 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
 関西を代表する知性の中に、大阪市長が飛び込んでいくというなかなか刺激的なシンポジウムを文字起こししたもの。内田センセのファンなら、読んでいて損はない。
 第1夜は、聴衆を入れた公開の場なのに対して、第2夜はプライベートな場であり、平松市長の結構直接的な橋下知事批判なんかも飛び出して(後の3人は無言の同意を与えてるのが面白い)、さらにスリリング度合いが高まっている。
 少しだけ脚注がうるさい気がしたので、星1つ減。
このレビューは参考になりましたか?
46 人中、27人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
 座談会の進行役である平松市長はあとがきで、大阪市内の荒廃した現実を少しだけ赤裸々に語っている。が、座談会の方はかなり生ぬるい雰囲気を漂わせる。荒廃した世の中だからこそ、舌鋒の鋭さや決めつけではなく「優しさ」を共有したいと市長は語り、それがこの雰囲気を説明するのだろうが、「優しさ」と「生ぬるさ」はやはり違うと思う。
 社会は目先の(目に見える)効用だけを教育に求め続けて行き詰まった。だから、何の役に立つか分からぬような多様な学びの場を街場に仕掛ける。江戸時代、大阪にあった懐徳堂などの塾はそんな感じだったはずから、それを今に復活させたい。座談会ではそういうことが語られる。が、「ナカノシマ大学」のようなイベントを現代に実施しても、知的な遊び場的なものにしか現実化せず、懐徳堂が当時保持していたはずの“切実さ”までは復活しない(させられない)はずだ。それは問い詰められていないが、本当はそれこそが要所であるはずだ。
 それは、この座談を構成する方々が市長、大学総長、教授という(恵まれた)位置から一歩も踏み出さずに発言しているからであり、発言が世間の寒風に吹き曝されていないのだ。その例を少しだけ挙げてみる(読者は他にも多くを見出せるはずだ)。
 内田樹は「個人が学校に通って、しかじかの知識を得たり、技術を身に付けたり、資格を取ったりして、それで高い年収を得たり、社会的地位や威信を獲得したり、そういう自己利益を達成するために人は教育を受けるのだという思想が広まってしまった。それが教育崩壊の根本にある」(P.26)と言うが、「自己利益を自ら達成してきた人にそう言われてもねぇ…」とは感じないだろうか? 高い年収や社会的地位や威信はともかく、ある程度の年収や普通の生活や幸せのために、個人が教育から受益したいと考えること(ささやかなる経済合理性だ!)がおかしいことなのだろうか。
 鷲田清一は「今の子どもたちがかわいそうなのは、両極端なんですね。ものすごく期待されすぎてるか、期待されなさすぎか。そういう両極端に大人たちの期待がぶれていることに子どもたちは翻弄されていて、それが彼らの「生きにくさ」を募らせている」(P.172)と言う。そんな極端なはずがないだろうと思う。それなら、ある小学校の教室に行き、鷲田なら子どもたちのほとんどをどちらかに分類し、2つのグループを作れるというのだろうか。鷲田の発言はある理念の場所から発せられ、物事を現実まで下りて見ていないのだ。
 内田は巻末で大阪市の特別顧問になった顛末の一文で、上から締め付けるだけの教育行政の弊害を記し、市長に出来るだけ介入しないよう述べている。が、これも難しい問題を孕む。上からの絶え間ない指示では、現場の創意は確かに生まれない。だが、現代のスポーツチームの監督は、放っておくだけでは選手の創意を生み出せないのだ。ここにこそ本書の題である「おせっかい」が向けられるべきだったのではないか。教育現場への「おせっかい」として、市長に何が可能かこそ本書の主題になるべきだったと、残念に思う。
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