2010年の10月までの一年間に刊行された文庫本の中から、本読みの達人、目利きたちが、ジャンル別におすすめ本を紹介した一冊。この手の雑誌を読む時の一番の目的は、「これは面白そうだぞっていう匂いのする本、何かないかな」という期待感、わくわく感ですね。そういう気持ちで本雑誌を読んでいって、「おっ! これは買いだぜい」ってんでチェック、早速注文した文庫本は次の二点。
●樋口明雄『
紅の匣子槍'T頭弾(上) (双葉文庫)』(上下巻)・・・・・・「ジャンル別ベストテン 国内ミステリー」の項で、宇田川拓也氏が取り上げていた文庫本。以前、単行本で読み、そのけた外れの面白さに、首まで浸かって読み耽った作品。「ええっ! 文庫本で出ていたんだあ!」と、たまらず、注文に走りました。
●都築響一『
夜露死苦現代詩 (ちくま文庫)』・・・・・・「ジャンル別ベストテン エンタメ・ノンフ」の項で、東えりか氏が取り上げていた文庫本。氏の紹介文を読んで、「うん? これ、なんか面白そうだぞ」って興味を引かれたんですね。紹介文がまた上手いんだな。
<本書もドキドキするようなフレーズを見つけ、それに魅力を見出すそのセンスが光る。(中略)「夢は夜ひらく」の32種類の歌詞、そして暴走族の漢字の当て字などなど、知らなかったもの、見過ごしていたもの、そして故意にデリートされたものまで、こんなに世の中には面白い文章が隠れていたのかと感動すら覚える。>(94頁より引用)
ほか、興を誘われた案内文、紹介文には、こんなのがありました。
◎米澤穂信「文庫オールタイムベストテン いつもサイドポケットにしのばせていた、小さな友人たち」・・・・・・天藤真『大誘拐』、連城三紀彦『戻り川心中』、杉浦日向子『百日紅』など、流石のチョイスとミステリを愛する心意気に拍手。
◎大矢博子「偏愛オールタイムベストテン 音楽小説じんわりな10冊」・・・・・・ネットでのおすすめ本(特にミステリ本)紹介・案内時代から、大矢博子さんの選択眼、どの辺が面白かったのかという読み巧者ぶりに舌を巻いています。取り上げている中山可穂の『ケッヘル』(上下)、面白そうだなあ。
◎南陀楼綾繁「北村薫・宮部みゆきコンビに全十巻のアンソロジーを編集してほしい!」・・・・・・この案内文の中、私もとても面白く読んだ種村季弘編『東京百話』(全三巻)が紹介されているのが嬉しかった。北村薫・宮部みゆきコンビのアンソロジーでは、2011年1月8日発売予定の二冊、『
名短篇ほりだしもの』『
とっておき名短篇』も楽しみです。