お酒を飲む理由なんて、たくさんある。誰かとうちとけた話をしたいから。あるいは、居酒屋でちょっと違う時間を過ごしたいから。ぼくはおいしいものを飲みたいという理由で、家で安心して飲むのが好きなのだけれども、居酒屋の雰囲気が好きだっていう人もたくさんいることも知っている。そして、お酒の楽しみ方は人それぞれだし、いろんなスタイルがあるし、思いも寄らなかった楽しみだってある。家で飲むのが好きなぼくでも、居酒屋に行きたいときがあるように。
「おさけ日和」というタイトルを見て、すぐに本をレジに持っていってしまった。お酒を飲むことって、1日の句読点として、すごくいいなあって思っているのだけれども、毎日惰性で飲むことほどつまらないものはない、とも思う。お酒を楽しむ可能性をいろいろと示してくれるのであれば、OKだ。
ということで本書は、ユニークな飲み屋の紹介をはじめ、家で飲むのであれば簡単な料理の紹介、そして、お酒にまつわる本や音楽、映画まで紹介してくれる。古本屋を兼ねたバーなんていうのもあって、知的好奇心と軽い酩酊をともに楽しませてくれそうだったりする。そんな空間には、正直、足を運んでみたいって強く思ったし。やきとん、煮込みといったB級メニューの楽しみ方や、老舗居酒屋、エキナカ、蕎麦屋まで紹介してくれる。お酒を惰性から引き出し、日常の中にインパクトを残してくれる、そんな飲み方を提案してくれるわけなのだ。
結局のところ、毎日がおさけ日和、そうなんだろうな。それをきちんと肯定し、ポジティブなものにしてくれる。難しいことはいらないけれど、それはつまらないお酒を飲むということでもない。ということで、本書はオールカラーの、とても心温まる本なのであった。