バカミスの帝王、霞流一の連作短編集。今回のお題は「魚」。作品も「顔面神経痛のタイ」、「穴があればウナギ」、「夕陽で焼くサンマ」、「吊るされアンコウ」と魚、サカナ、魚。これらは春夏秋冬に対応している。立ち向かうは迷探偵、紅門福助。
いつも通りのバカ話で事件は幕を明けるのだが、今回の紅門はヤケに論理的だ。そして、事件の度に現れる宇大という謎の男。その言動は紅門より興味を惹く。
魚を題材にした連作集ということから予想されるように、各事件はある仕掛けのもと有機的に関連していたのだ。紅門は"シャーマン"として踊らされていたに過ぎなかった。結末に至って、にわかにオカルティックな雰囲気になり、あわや紅門の命が...。
1つ1つの作品がユーモアと意外な程の論理性に満ちており、その上全体として楽しい仕掛けが施されている、お勧めの一作。