著者である山城新伍氏の訃報に接して、初めてこのような作品があることを知ったのですが、このまま埋もれさせてしまうには惜しい作品です。
本書は、若山富三郎/勝新太郎兄弟の芸に対する姿勢や生き様を、出会いからその最期までの様々なエピソードを交えて、二人と多くの行動を共にした著者が語っています。
芸能人が芸能人について書いてはいますが、よくある暴露本の類では断じてなく、役者というものに人生を賭けた壮絶な漢たちの姿が、悲壮なまでに格好良く、そしてユーモラスに書き綴られています。
主人公が主人公だけにその他の登場人物も、いずれ劣らぬ昭和のビッグネームばかり。
その多くが既に鬼籍に入られていますが、本書の中ではイキイキと往時の姿・声で若き新伍を叱り、困らせ、笑わせます。
主人公の勝新やおやっさん(若山富三郎)のファンのみならず、あの時代を生きてあの時代の映画を愛した人ならば読んで損は無い、むしろ読まねば損をするぐらいの良書です。
是非1人でも多くの方に読んでいただきたいと思います。