山城新伍による、
若山富三郎と勝新太郎兄弟の伝記だ。
若山組の一員だった山城であるから、
若山富三郎のエピソードが多い。
いくつか読みどころがあるのだが、
一つは日本映画黄金時代の熱気を感じられるエピソードが面白い。
若山富三郎を始め、鶴田浩二、高倉健、大川橋蔵、菅原文太と「大物」だらけの東映の日常が面白い。
おおらかで馬鹿で、いい時代だったなあと思う。
もう一つは若山富三郎である。
天才で陽性の弟、勝新との対比で常に陰の役回りを引き受けてきた兄のいらだち、焦燥が伝わってくる。
若山の人生は成功者のそれだったが、本人は決して満足していないはずだ。
さて本作.同時に復刻された「俺、勝新太郎』と併読するのが正しい。
あくまでも明るい勝新に比べ、本作何か暗い。
これは山城新伍の個性だろう。
その辺も面白い。