架空の研究所の研究員である亀さんと六さんが、ちょっとした会話の中から、マイナスイオン、波動、ゲーム脳、水からの伝言というようなものについての話題をし、その変な部分、胡散臭い部分について語る。そして、それを受けて、ニセ科学などについての活動を行っている菊池誠教授が二人に解説をする、というような構成を取る。
まず最初に思うのは、非常に軽く読める、ということだろうか。
亀さん、六さんのやりとりが漫才状態なのもそうだが、それを受けたのか、菊池教授自身もかなりノリが良い。一つのトピックスについて、十数頁程度、という分量もあって気楽に読むことが出来る書になっていると思う。
ただ、その中で書かれていることは示唆に富んでいる。
それぞれのトピックスそのもの紹介だけでも十分に意味があると思うのだが、第3章の、怪しいニュービジネス、や、陰謀論など、一見、自然科学から離れたような物事を抑えることで、そこまでのトピックスのただ「自然科学ではない」というところから、別の側面が見えてくる。この構成の仕方が非常に上手いと思う。
まとめと言える第4章のやりとりも、かなり完結ではあるが、この構成によって納得出来るのではないだろうか。
ただ、一方で分量の問題やギャグ中心ということもあって、それぞれの問題についてやや踏み込みが甘いと感じるところはあるかも知れない。
また、やりとりの中で出て来る固有名詞などに時事ネタ的なものも多いので、数年後などに読んでどうか、と感じるところもあった(例えば、「血液型別に女性が結婚する方法のドラマ」というものが話の中で出るのだが、09年9月に読んだ時点で「そんなドラマあったっけ?」と私は思ってしまった) アニメネタなども結構あり、その辺りが多少、ネックになるかも知れない。
ただ、ニセ科学の問題などについての入門書として優れていると思う。