冬に出版される絵本の何冊かは、必ず雪が描かれています。
雪の白さは非日常的な世界を簡単に作り出せるし、
雪の寒さを利用して暖かさを際立たせる演出にもなります。
サンタ、ゆきだるま、など子供受けする役者の舞台としても使えます。
ある意味、雪の扱い方をみれば作家の力量が伺い知れるといえます。
そんな視点から本作品をみると、女の子の気持ちを、雪に託して
分かりやすく表現しているところにウマさを感じました。
ひとり布団の中で、風邪薬を買いに出かけた母親を待つ女の子。
突然降り出した吹雪は女の子の不安と重なり、積もりゆく雪は
母親を想う気持ちとみごとにシンクロしています。
他に注目点として述べたいのは、母親の顔をあえて見せなかったところ。
読者の意識が女の子からブレないようにすると共に、母親の存在感を
視覚的にでなく、心理的に伝える演出になってます。
大島さんの作品では あかね書房刊『まいごのマイロ』でも
雪がうまく扱われていました。こちらもお勧めです。