いったいどうやったら「幻のバッグ」を1年で100個以上も買えるの?
好奇心に駆られてページを繰るうちに、かのエルメスの陰とも言える部分を覗き見ながら、世界中を駆け巡るマイケルの冒険にどんどん引き込まれていきます(バッグ誘拐事件の顛末はまるでスパイ映画のよう!)。
イーベイでのかけひきや、また顧客とのやりとりからビジネスが大掛かりになっていく経緯はいかにも現代的で、興味を持たれる方も多いのではないでしょうか。
こうしたビジネス面以外にも、バーキンコレクターとして登場する富裕層の生活は想像を絶していますし、ゲイのマイケルと元ルームメイトの女性との絆、顧客の女性たちとビジネスを超えた信頼関係を築いていく様子、バルセロナでのソウルメイトとの出会いといった、ゲイの愛と友情を描いた物語としてもまた別の意味で興味深いです。
考えてみれば、著者はネットワークビジネスで成功した後、そのノウハウを明かすというやり方で今度は著述業へ華麗に転進したわけで、目端が利く人っているものだとなかば呆れながらも、彼の憎めない人柄につい感情移入して、一緒にハラハラドキドキしてしまいました。
360ページとこの手の本にしては少し厚いように感じるかもしれませんが、翻訳は軽快で読みやすく、時折クスリと笑いながら、最後まで楽しく読むことができます。
それから、この本には映画化の話が持ち上がっているそうです。マイケル役にはどの俳優が?と考えるのも楽しいですね。