明治維新後、叔父の経営する会社の若手経営陣の一人、
雨留千吉が主人公です。
千吉を取り巻く友人、そして女性…がまさに悲喜こもごもの
人生模様を描いていきます。
中でも千吉の英語習得に一役買った函館の遊女・小鶴。
その千吉と小鶴の会話の中で小鶴の言葉が感動的でした。。
「ショウジキ、マゴコロって中略エゲレス語で何と言う?」
「正直?真心?ええと、それはだな…honestyだよ」
「おねす?」
「いい言葉だな。エゲレス語にも正直って言葉があるんだな。略」
「君も英語を覚えるかい?」
「したども、おおねすてえだけは覚えることにする」
時代を懸命に生き素朴で優しい温かみのある薄幸の小鶴がいじらしい位
人間的でした。
その後、舞台は東京へ…。
東京では千吉と恋のお相手お順を中心にした人間模様が繰り広げられるのですが
こちらも目が離せず結末は…読んでのお楽しみと云うことで…。
鎖国後、西洋人を相手に奮闘努力する日本人の姿が滑稽で楽しい作品でした。
また函館での英語の師匠・財前卯之吉は実在の人物だそうです。