分かりやすい取材、すばらしい翻訳、論理的な構成、攻撃的でなくあくまで冷静な語り口。本としては実に良くできています。ただ、ここに書かれている内容が…。マクドナルドを始めとするアメリカのファーストフード業界が、ただアメリカ人の健康だけではなく、アメリカと言う社会システムそのものを根底から破壊しつつあることを否応なしに実感させられます。そしてそれは当然ながら私たち日本人にもまともに影響を及ぼしていることに気付かされます。
「ハンバーガーなんか体に悪いからあまり食べちゃいけないよ」どころの話ではないのですね。読んでも勇気がわくとか、楽しいとか、そういうことはなくてただ、じっとり暗い気持ちになります。なぜって、私たちを取り巻く食生活の環境なんて、そうそう簡単に変わるわけもないからです。せめて一人でも多くの人がこの本を読んで、たとえ小さくても確かな「実感」を持つことだけでも広まらないかなと思いました。