15年続くおいコーの新刊、では一応ある。
だが、新刊だからといって急いで買って読むほどの内容ではないことは、発売から1ヶ月経とうというのに、レビューがさっぱり書かれてなかったことからも容易に想像できる。
ストーリーの進展としても、勝利が前歯を折られたぐらいで何か問題が解決した訳でも無い。
そもそも前巻から引っ張ってる、かれんの相談事の内容すら明らかになっていない。
この程度の進捗で、また1年先に話を延ばそうと言うのは読者がきっと待ってくれると過信しているのか、ナメているのか果たしてどちらなのだろうか。
肝心の内容については、従来の登場人物の出番がめっきり減り、代わりに森下家の面々がクローズアップされている。
その中でも次男・秀人の言動は、近作「W/F」の登場人物のそれに近く、彼の言葉を勝利に聞かせるところに、作者・村山由佳の意図を感じる。
何よりも秀人について、「腹立たしく思うかもしれないけど・・・」と作者本人があとがきで「弁護」している。
そしてその後に、このような「予告」を書いている。
『勝利にはまだまだもっと、人として大きくなってもらわねばなりません。
ここから先、どんなことが彼の上に起こったとしても、どうか皆さん。勝利を見捨てずにいてやってください』
『見捨てずにいてやってください』。
「応援して」でも「励まして」でも無いところに、作者・村山由佳が勝利に何をやらせようというのかを考えさせる。
果たして、おいコーが「W/F」のような展開を迎えるのか。