書店でふと開いて、すぐ好きになりました。
帯のコピーではないですが、「拾ったら」大切なものだったようで、
2ヵ月経ってもやっぱり好きなので、レビューします。
何気ない日々の事毎が、おかしみと発見とセンチメンタリズムを伴って
ネガフィルムのように読む人の記憶に焼きつけられるような作品集です。
著者の笹井さんは27歳で早逝されていますが、
若気とも老成ともつかない感覚で綴られた言葉は
ときに共感を伴い、ときに撫で、ときに逆撫で、ときに棘をもって、
不思議に落ち着いた心地で包んでくれます。
包まれるというと、ブックデザインは名久井直子さんによるもの。
本自体の佇まいもさることながら、文章を読むときの心地よさに抜きんでたものがあり、
作品の良さを引き立てて余りある、宝箱のような一冊だと思います。
笹井さんのブログは今も残っており、作品の一部はいつでも読むことができますが、
“手で持って読む”という楽しさをインターネット以上に喚起してくれる本。
とてもおすすめです。