あいかわらずその場の土の湿り具合や、風の匂い、コンクリの手触り、木壁のささくれ、そして繋いだ手の暖かさまでが伝わってきます。絵の向こうの空気がこちらに溢れ出て、読者一人ひとりの心の中にしまわれていたノスタルジィを掘り起こす様な、懐かしさに溢れた絵柄は健在。
ただ、今までの作品と違って哀切さはうすれ、泣かなくてすみます。その分幼い頃の光景や思い出に浸って仕舞いそうになりますが。表紙は少女ですが、たとえ多少炉が入っていたとしても性を表に出した作品では決してありません。主人公達の幼い姿も、私達自身の記憶を呼び覚ます道しるべの様な感じでしょうか。
絵の向こうの空を見たい方、雨の匂いを嗅ぎたい人、繋いだ手の温かさを忘れてしまった時には是非読んでみて下さい。もし気に入っていただけたならば「おつきさまのかえりみち」「とわにみるゆめ」「花喰幻燈機」の過去三作も是非ご覧になってみて下さい。かなり哀切に満ちていますが、自分の気持ちから湧き出るなにかしらの心を打つものに触れられる筈ですので。
ちなみに、えんじがかりのがかりとは...ほかにはいきもの○○、掃除○○、給食○○とかがある様です。当番じゃないですよ。最低一年続く方です。
あと、もし気になられたら「とわにみるゆめ」に関連レビューを載せてありますので参考にして戴ければ幸いです。