昔、知人に連れられて行った有楽町更科。
雑居ビルの階段を上がって廊下を少し奥に入ると、そこに店はあった。いわゆる老舗の蕎麦屋らしい雰囲気もなければ色気もない。
暑い盛りの昼時に、ワイシャツを腕まくりして少しネクタイを緩めたオフィス街のおっさん達がウマそうにずずーっとやっている。
それまでは「ソバよりはうどん」派であった私に、初めて蕎麦のうまさ、奥深さを教えてくれた店である。
「もし『本物の蕎麦』というものがあるならば、これは間違いなくホンモノだろう」とずぶの素人ながらに感動した覚えがある。
もうだいぶ前にこの店は閉店されたが、懐かしく思っていらっしゃる方も多いのではないかと思う。
そこの元ご主人が書かれた「うどん」の本です。
なぜ「まずい」うどんが多いのか、よく理解できました。
それにしても、まじめなお蕎麦屋さんが、マジメにうどんについて話してくれるとは思ってもみなかった。
どれ、ひとつ週末にはウマイうどんでもこしらえてみるか、と乗り気になってしまった。