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うつ病の脳科学―精神科医療の未来を切り拓く (幻冬舎新書)
 
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うつ病の脳科学―精神科医療の未来を切り拓く (幻冬舎新書) [新書]

加藤 忠史
5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 798 通常配送無料 詳細
o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

日本のうつ病等の気分障害患者が90万人を超えた。だが、病因が解明されていないため、今のところ処方薬も治療法も手探りの状態にならざるを得ない。一方、最新の脳科学で、うつには脳の病変や遺伝子が関係することがわかった。うつの原因さえ特定できれば、治療法が確立できる。今こそ、最先端脳科学と精神医学を結びつける研究環境が必要だ。うつ研究と脳科学の世界最新情報から、今後、日本がとるべき道までを示した、うつ病診療の未来を照らす希望の書。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

加藤 忠史
精神科医・脳科学研究者。1963年東京生まれ。1988年東京大学医学部卒業。滋賀医科大学精神医学講座助手、東京大学医学部付属病院講師を経て、現在、理化学研究所脳科学総合研究センター精神疾患動態研究チーム・チームリーダーを務める。日本において臨床と研究をリードするほか、国際双極性障害学会の理事、海外の専門誌編集委員を務めるなど、国内外において双極性障害の研究を牽引している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 新書: 245ページ
  • 出版社: 幻冬舎 (2009/09)
  • ISBN-10: 434498143X
  • ISBN-13: 978-4344981430
  • 発売日: 2009/09
  • 商品の寸法: 17.6 x 11 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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22 人中、20人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By ゴルゴ十三 殿堂入りレビュアー トップ100レビュアー VINE™ メンバー
形式:新書
本書の"帯"より:
「この4つの研究結果が、うつ病研究の流れを変えた!
1.うつにかかった人の脳の多くに、実は脳梗塞の痕が見られる。
2.発達早期(幼少期)の養育体験で脳内のDNAが変化すると、それが一生続く可能性がある。
3.ストレスで、海馬(記憶や学習を司る脳の部位)の神経細胞の突起が委縮する。
4.抗うつ薬には、神経を成長させる作用があることが分かった。」

本書を通読して、うつ病発症のメカニズムにどこまで迫っているのか(迫りきれてないのか)、よく分かりました。うつ病にならないためには、単に「ストレス発散(スポーツ)でドーパミン分泌を促しましょう」とか「ストレス解消(リラックス)でセロトニン分泌を促しましょう」というレベルの話ではないことが、よく分かります。(抗うつ薬"SSRI"投与でセロトニン濃度が増えても すぐに"うつ病"の症状が改善しない、という"タイム・ラグ"があることからして、セロトニン不足がうつ病の直接の原因ではなさそうだということは理解できます)実際、BDNF(神経細胞の成長を促す蛋白質)に注目した研究や、エピジェネティクス仮説(DNAメチル化 等)に基づく研究があるそうです。今後、うつ病の発症メカニズムの完全解明のために、"脳バンク"が実現すると良いですね。

図表が全く出てこないので、脳科学やうつ病に関する前知識が少しあった方が読み易いと思います。新書ながらも このレベルの高さに脱帽、文句なしに★5。(国会議員さんや霞が関のお役人の方々にも是非読んで欲しいところです。「心の病は国の損失」なのです。いまイギリスは国をあげて"うつ病対策"をしています。→「NHKスペシャル うつ病治療 常識が変わる」をご参照)
このレビューは参考になりましたか?
21 人中、18人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By Lehman Packer トップ1000レビュアー
形式:新書
 評者は現在は双極性障害で、休職時は鬱病と診断されていた。回復期に自分の病気を理解したくなり、鬱関係の本はけっこう読んだ。しかし、加藤氏ほどストレートに鬱病を“脳の病気”として記述してる方はいないと思う。鬱病を病気と思わない精神論者にとっては、本書は気に食わない内容だろう。加藤氏にも多少の中傷は有るかもしれぬ。はた迷惑かも知れぬが、評者は加藤氏を応援することを宣言したい。

 さて、本書の見せ場は研究の最前線を記した後半である。
 鬱病も他の病気と同様に、原因の究明や治療法の確立には統計的なデータの裏付けが必要である。
 最近の遺伝子解析技術の進歩は、統計的分析により原因遺伝子を特定することを可能にし、多くの病気で成果をあげ始めている。鬱病より遺伝的な性格の強い双極性障害では、統計的に有意な原因遺伝子が見つかったそうだ。 
 しかし、これらの遺伝子は病気の一部を説明するのみで、更なる大規模研究が必要らしい。ストレスも関係する鬱病は、さらに困難なようだ。
 しかし、数百データに基く研究結果を、数千データに基く研究結果が否定するさまは、鬱病の研究も極めて慎重に科学的に行われている事を示している。
 医者にしろ薬にしろ、精神科は何かとうさん臭い目で見られるが、素人の精神論や民間療法にはこれだけのデータの裏付けはなかろう。精神科の医療はもう少し信頼されても良いと思う。

 また、分子イメージングや動物実験などにより鬱病のメカニズムの解明はかなり進んでいるようだ。ストレスが脳に与える影響も分かってきている。後は人間の死後脳の観察で理論を確定させて行くことが重要で、脳バンクの必要性を訴えて本書は終了する。

 余談だが、最後の方に母校の話が出てくる。日本の精神医学を遅延させた元凶のようで深刻な問題なのだが、ネタとしては面白い。今まで知らなかったのは惜しい。少々授業をサボり過ぎたかと反省した。
このレビューは参考になりましたか?
10 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By kaz VINE™ メンバー
形式:新書
著者の加藤忠史氏は、理化学研究所脳科学総合研究センター精神疾患動態研究チーム・チームリーダーです。最新の脳科学研究を行っている氏による本書は、精神科医や心療内科医などの方による「うつ病」についての書籍とは全く内容を異にしています。
本書では、うつ病の解明に関しての最新の脳科学研究の成果を国内外問わず網羅的に紹介すると共に、社会問題にまでなっているうつ病を臨床からではなく脳科学の力でその解明と対処を行っていく必要性を訴えています。
専門的すぎる内容が多いのですが、それを差し引いても、考えさせられる内容でした。
著者は言います。

今後の研究が進むべき方向性を考えるとき、日本でもブレイン・バンクを作り、うつ病にかかったことがある方が天寿を全うされた時に、その脳を大切に保存し、病因解明に役立てることができるようにするシステムを整える必要性を強く感じている。

現在はまだこうしたものが無く、うつ病と脳の関係は推測と動物実験の結果でしか解明されておらず、そのためにうつ病患者はDSMによる面談で画一的に診察され、時間のかかる薬物治療によってしか治療を進められていないわけです。ブレイン・バンクのようなものがあって、それを使って多数の脳科学者が実際のヒト脳を使って研究し、科学的にうつ病と脳の因果関係が解明されれば、うつ病の治療は画期的な変化を遂げるかもしれないわけです。
多数の関係者の努力と関係省庁への働きかけが必要になるでしょうが、現在のうつ病の社会的負担の大きさを考えれば、是非とも実現させていただきたいことだと強く思いました。
また、この病気特有の「隠さなければ社会的に暮らせない」という一面についても、現実問題としてこれだけ多数の患者が存在し苦しんでいる現状を考え合わせ、カミングアウトしても社会に受け入れられる土壌の形成が必要だと強く感じました。がん患者や糖尿病患者が自信の病気をオープンにしても同情されることはあっても排斥されることはあまり無いのに対し、うつ病(ないし他の精神疾患)に限ってはそれをオープンにした瞬間に社会的に抹殺されかねないという現実は是正されていくべきだと私は思います。
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