読後すぐ思ったことは、「好きな小説だな〜」であった。
主人公は、初めて会社で泣いてしまったことをきっかけに
会社を辞め、ひとり旅にでる。
瀬戸内海に浮かぶ島の、豪華なホテルに5日間の滞在。
そこで出会う不思議な人々とのかかわりを通して、
彼女は過去の自分と、家族、とくにうつくしく、やさしくて、
35歳なのに処女である姉と向き合っていく。
主人公の5日間の旅と、彼女の再出発を描くと書けば
月並みなあらすじと受け取られてしまうが、
ホテルで起こるすべてが、奇妙で、いとおしく感じてしまう。
カクテルの作り方も覚えられない間抜けなバーテンダーや、
かっこいいのに性欲が持てず悩むイケメンドイツ人。
ホテルの地下にひっそりたたずむ、「本の部屋」。
そのすべてが、読み終わった後には愛おしく、
また主人公の、姉に対する屈折した愛情から発生される心の叫びには、
胸を突き動かされる。
不覚にも、読書していたスタバで涙を流してしまった…