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うつから帰って参りました。
 
 

うつから帰って参りました。 [単行本(ソフトカバー)]

一色 伸幸
5つ星のうち 3.2  レビューをすべて見る (9件のカスタマーレビュー)

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商品の説明

内容紹介

「私をスキーに連れてって」「病院へ行こう」
「僕らはみんな生きている」「彼女が死んじゃった。」
など数々の作品を手がける人気脚本家が書いた
爆笑と感涙のうつ病体験記

ワンダーランドに迷い込んだのは、家族も同じだった。
この本を書くために、当時のことを訊くと、妻は、最初は怒りながら、
最後はあまりの酷さに笑い転げながら、知らなかった出来事を教えてくれた。
僕も、初めて出会う自分である……。

小一時間ほど話したとき、松山先生が口を開いた。
「一色くん。きみは、うつ病だと思う」
びっくりだ。
自分が病気だとは、想像さえしていなかった。
気持ちが沈み、抜け出せないことも、
限度を過ぎると病気なのだと、初めて知った。
この気鬱は、「気のせい」ではなかったのだ。
咳と熱に長く悩まされた人間が、
「あんたは風邪だ」
と言われて仰天するような間抜けさだ。 (本文より)

うつ病に罹っている人。
うつ病患者を家族、恋人、友人に持つ人。
この拙い本が、せめて定価程度には役に立ってくれたらと願っている。

一色伸幸

著者について

一色伸幸(いっしき・のぶゆき)
脚本家。1960年、東京都生まれ。
青山学院大学中退後、1982年に「火曜サスペンス劇場・松本清張の脊梁」(松本清張原作/古田求共作)で脚本家デビュー。映画、ドラマ、アニメ、舞台、ゲームなど数々の人気脚本、まんが原作を手がける。映画「病院へ行こう」「僕らはみんな生きている」で日本アカデミー賞優秀脚本賞を受賞。
主な作品に、映画「私をスキーに連れてって」「彼女が水着にきがえたら」「山田村ワルツ」「木村家の人びと」「ほんの5g」「病院へ行こう」「病は気から 病院へ行こう2」「波の数だけ抱きしめて」「七人のおたく」「僕らはみんな生きている」(まんが原作含む)「ショムニ」「お受験」、ドラマ「ハーフポテトな俺たち」「彼女が死んじゃった。」(まんが原作含む)、アニメ「ミームいろいろ夢の旅」「宇宙船サジタリウス」、舞台「紙のドレスを燃やす夜~香港大夜総会~」など。
著者のそのときどきの心が作品のテーマやキャラクターに投影されていることが多い。
うつ病を患った著者は消えてなくなりたいと願い、七転八倒の逃避をするが、やがて家族の力を得て病気と向き合い、切なくもおかしい闘病生活を経て回復。本書は、自分自身を主人公にして書いた初めてのエッセイである。
すっかり元気になった現在は、数々の南の島でのダイビングに熱中し、ライターとダイバーの間を行き来している。

登録情報

  • 単行本(ソフトカバー): 267ページ
  • 出版社: アスコム (2007/9/27)
  • ISBN-10: 477620469X
  • ISBN-13: 978-4776204695
  • 発売日: 2007/9/27
  • 商品の寸法: 18.6 x 11.8 x 2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.2  レビューをすべて見る (9件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 447,940位 (本のベストセラーを見る)
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最も参考になったカスタマーレビュー
25 人中、23人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 辰己 トップ100レビュアー
形式:単行本(ソフトカバー)|Amazonが確認した購入
「うつから帰って参りました」というタイトルで、最初私は、
おちゃらけた感じがしてしまい、買うのをためらってしまった。
著者も「有名人」であり、回復後はスキューバダイビングで世界を……
というのも、一般ピープルのうつ患者には、「いいよねえ」という感じだ。

しかし……!

まあ読んでみるかと思って読むと、これがなんとまあ、読みやすく、
きちんと自分の症例も盛り込まれて対処法も書かれ、
うつを長年抱えている私にとっては、大いに参考になった。
たしかにおちゃらけた部分もあるが、それが逆に「読みやすさ」につながっている。
さすが「私をスキーに連れてって」などのシナリオライターだけのことはある。

著者の場合、最初はうつと自覚せずに睡眠薬などに依存していくのだが、
私は「軽症うつ」と診断され、何年も薬を飲むうちに
薬量はものすごく増えてしまった。
最初は1錠で効いた睡眠薬も、今では飲んでも少しも効かない。
かといって増やすと翌日は「どべーー」となってしまう。

こういう人は決して少なくないと思うのだ。
薬でうつは治らない、という趣旨の本もあるが私はそうは思わない。
しかし、薬だけに頼ってもいけない。
著者の体験談は、そういううつ患者にとっては「そうそう!」と思うことが多い。
一読の価値はある本だ。
このレビューは参考になりましたか?
19 人中、17人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本(ソフトカバー)
シナリオの締め切りを守らなければならない、いい作品を書かなければならないというプレッシャーから、最初は市販の頭痛薬などを大量に飲むことで、ラリッた状態になり、だんだん市販の薬では聞かなくなり、病院からもっと強い処方薬をもらいだして、病院でもらえなくなると東南アジアに旅行して不法に購入したり…という流れで、ヤク中になってしまう。

で、その薬物中毒の原因が「うつ」だという事で病院の先生に診断されて、また別の抗うつ剤や安定剤を飲み始める。

新聞の広告と雑誌の書評を見て購入したのだが、読み始めて最初の方は何か広告と全然違うなぁ…という感じだった。「爆笑と感涙のうつ病体験記」というコピーも、どこが爆笑なのか今でも良くわからない。しかしさすがに脚本家だけあって、半分以降はぐいぐいひきつけられた。

よくうつ病の人に「がんばって」は禁句だと言われる。私のように病気の経験がない人は、そういわれて、何となく理解しても、「そうは言っても、がんばるしかないじゃん」と心で思ってしまいがちだと思うのだが、この作者の言葉で、もう絶対に「がんばれ」とか言おうとか思うのはやめようと感じた部分があった。

「息をして、食事を取り、トイレに行き、なかなか寝付けない夜をじりじり過ごすだけで、もう相当戦っているのだ。呆けて寝ているように見えても、ボクサーに近い戦いをしているのだ。これ以上、何をがんばれというのか」

あと、「治りたい」という気持ちが全然なくて、「消えてなくなりたい」としか思えないとの事。ただだんだんといい方向に向かうと(薬の影響で治っていくのだと思うが)、「治りたい」と「消えてなくなりたい」が半々になり、解放に向かうと「治りたい」が優勢になるとの事。

今までにも色々と「うつ」に関する本を読んだりしましたが、この本が一番実感できた気がします。
このレビューは参考になりましたか?
22 人中、18人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By pesce
形式:単行本(ソフトカバー)
一色さん自身に面識はない、ただ周囲の環境が近いので共通の
知人は少なからずいて、業界のタフさやそれに付随する精神疾患の多さは身を持ってわかる。
開いてみよう、その要所要所には所謂、うつにまつわるリアルな描写も含まれるし
才能ある友人・知人を亡くしたことなど、渦中の人間には禁忌な事柄も描かれている。
けれど私はこの夏に入院を果たしまだ病院にいる親しい友人にこの本を渡した。
何度も内容を話し確認して、一色さんの本なら。と、彼が言うのを確認してからだ。
しばらく本を読めない症状を見せていた彼は現在、読みつつあるという。
友人は一色さんと直接面識がある人間だけれども、しかし一色さんの現在までの活動には
同世代でエンタテインメントに興味を持って生きてきた人間なら、
何かしら触れたことがあるはずだ。
私自身、冒頭に出てくる『彼女が水着に着替えたら』含むホイチョイ作品や
引用される脚本のセリフにシーンが浮かんでくる箇所が数え切れなくある。

はっきりいっておちゃらけ過ぎているように取れる箇所もあるかもしれない、
けれどそれがこの世代の必死の抵抗だということと、病を病として認識して
鉄の意志で闘病する、のではなく「逃げる」ふと危なっかしい場所も見せつつ
身も蓋もなく逃避するという、これまでの闘病本にはないゲリラ戦的な
現実感がある。あのドラマの出演人物たちのように、ドラマばかり起きない
軽薄で優しい、隣にあった日常という戦場を帰還兵が語っていく。
武勇伝でもなんでもない、けど生還した人間の語りは
渦中や、帰還途中の人間や、画面の向こうから眺める人間にとっても
現実的に感じられるだろう。そしてその語り部が、現在幸運にも、そして
実際に幸福に、人生を取り戻しているというハッピーエンドは、
作為ない一番の「読む坑うつ剤」的な作用がある。エンタテインメントに興味が
あり、時代に沿ってマスカルチャーと戯れてきた世代に是非読んでほしい。
たくさんの幸運が重なって生き延びた、という部分もあれど素直にそれに感謝して
「国の病(それこそ皇室も横綱も、首相も揃って)」として身近になりすぎた
「うつ」をドラマタイズしすぎず、連続テレビドラマのテンポで一気に読ませて
くれた。どこまでも「らしく」情けなく感動的な舞台裏話をありがとう。という。

手に手を取り合って沈んでいくような、うつ病渦中の視野狭窄を呼び込まない
本業の脚本、監督としての構成の巧みさ、しかし描かれる主人公のダメさの
客観的な苦笑い。苦笑いでも笑い始めることができれば光は差し始めると思える。
一色さんとなら青い海にも飛び込んでみたい、きっといい「バディ」
(※本書にも登場するスキューバ用語)になってくれるだろう。
※ちなみに他のレビューにあるように現在の診断で行くとこの病状は双極性障害と
かなり近い(北杜夫なども罹患)ものもあるが薬による躁転描写がほとんどなので
一応私はうつの一種の範疇だと思う。
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