著者は、海外のケアマネージメント組織に属するソーシャルワーカーだそうですが、この本にはハウツーものの翻訳によくあるような意味不明な記述やわかりにくい部分がなくてすんなり読め、逆に日本とは多少介護事情の違う海外の現場で働く人だからこそ!と思われるアドバイスも多くて新鮮でした。
私は、今現在、困った事態に直面しているわけではないのですが、将来ふりかかってくるはずの親の介護のこと、親との関係などについて、特に精神的な面で不安を感じています。この本には、困った親(つまり「扱いにくい親」ですよね)にどう対処したらいいか、どういうふうにつきあえば、親子双方の精神状態がうまく保たれるか、ということが、とても理論的にわかりやすく説明されており、今の私にとってはとても興味深い内容で、心の準備ではないですが、大変参考になりました。親の心理、子の心理、どちらも深く分析されていてなるほどと思いましたが、「効果のない議論をするより、共感を示す」などという現実的なアドバイスには、思い当たるところがあって、はっとしました。今、この問題に直面している人は、ずらりと並んだ困った親の例についての記述と分析を読むだけでも、こんなものかと心が休まり、少し違ったアプローチができるようになるのではないかと思います。