なんだかボクのために創ってくれたようなラストだなぁ。そんなことを思ってしまうぐらい、こうなってほしいと思った部分を見事にすくい取ってかのような形で終わらせてくれた。お話じたいは小さくまとまってて、せまられる答えられない決断と、自己犠牲っていうのはよくあるお涙頂戴。目新しさはあまりない。でも広げるだけ広げて、力技でラストにもっていった「キディ・グレイド」の薄っぺらさに比べれば、もう、月とすっぽん。
ボク的に課題だった、キャラがそれぞれとても深くなり、魅力的になったのは特にお見事。はじめのころはどうもあっけらかんとした明るい仲良しさが白々しかったんだけど、それぞれに抱える悩み、苦しみをひとつずつ描き、これは涙を流すときはそっと寄り添い、落ち込んでいるときはさりげなく気遣う、「すべてを打ち明けられるほど親しくもないけど、悩みを打ち明けられないほど他人でもない」優しい距離感なんだっていうところのしっかりとした演出が、とっても好感が持てた。そして、何で鎌倉?ってとこ。これもとどのつまりはアトランダムに選びだしたサンプルだったわけで、意味はないのね。しかもここにとらえどころがなく、かなり薄かったのなかった沙耶ねーさんがとても魅力的に映るシーンあり。神さま(?)との会話だ。存在感ありありの名優加藤精三さんのすばらしい演技もあいまって、沙耶ねーさんの語られないやさしさ、苦しさが見えてくる。これで、ほぼ登場人物全員の心の内側がストーリーを不自然にねじ曲げずに描かれたわけで、そこんとこのうまさはすごい。壮大な設定に逃げることなく、一夏の大人へのちょっとしたステップアップのメタファーとして手堅くキャラを動かしていったスタッフに感服。それに、この作品のもうひとつの楽しみとして、一話ごとに違うクリエーターに描いてもらっている一夏の変身コスチュームにも注目してみるとよし。