本当に良い作品だと思う。
りんを育てることで人生に様々な制限がかかるダイキチが
「これ…やっぱ犠牲とかとちょっと違うような…」と感じているのが、
この作品の一番伝えたいことだろう。
マスコミが女性の頭をどんどん悪くしてしまったせいで、
若い母親がみんな「子育ての合間に自分の時間を作る」ようなことを
目指す世の中になってしまったけど、
子供といるのはもっと楽しくて嬉しいものだと宇仁田ゆみは教えてくれる。
確かに子育ては大変だろうしノイローゼになる人もいるだろう。
でもその「大変」と感じるのは周囲をうらやむ気持ちから来るものがほとんどのはずだ。
世の母親たちは何にも代え難いものを持つ優越感を感じながら子育てするぐらいでいいと思うし、
そもそもそういう考え方ができないのなら子供を持つべきではないし、
もっと言えば母親になれば自然とそういう気持ちになれる世の中でないと健全とは言えない。
ようするに、「子育てってすごく大変だけど、でも楽しさや嬉しさの方が何倍も大きいよね。
なのに今の母親たちは必要以上にネガティブな部分ばかりクローズアップしてない?」
という至極当たり前のメッセージを、ダイキチという独身男の新鮮な目線から伝えることで
説教臭くなりがちなテーマを上手く伝えることに100%成功している。読むと幸せになれる作品だと思う。