巻頭、巻中、巻末は二人の短い対談。
中村うさぎとマツコの、異端者、異質と世間から見られている二人の魂の吐露、雄たけびの書簡がメインを占める本。
二人とも、実に正直な人間だと思った。
また、世間一般の多くの人の生き方に迎合しない(ある意味、できなかった)で生きる事の哀感を感じる。
うさぎは、「幸せなことは退屈な事」「人生に大きな忘れ物をしちゃった気分」と子供をもたない人生を欠落感と表してマツコに吐露している。
それに対するマツコの「人生は孤独との戦いで、人は孤独から解放されることはない」という言葉も胸を打つ。
二人のそれぞれのパンドラの箱の底に書かれている言葉について綴っている部分も、非常に印象的。
本書の中盤では、対談「政と性」、日本の女性政治家についての二人の所見が語られている。
その他、マツコの書簡で最も興味を抱いたのは、映画「追憶」のヒロインについて語られている部分。バーブラ演じるヒロインの生き方に共鳴し、志の気高さに胸を打たれ慟哭した部分。これが私の人生!と書いている。
二人とも自分達との母との関係や思いを綴っていて、たとえ母とは相反する生き方をしていても、彼女(彼)達の人生観や生き方に大きな影響を与えたのは、母ではなかったのかな?と感じ取った。
世迷いごとが、大衆向けの本だとしたら、本書は本来のマツコらしさを出していると思う。
万人受けはしない本かもしれないが、うさぎとマツコの自分自身の本質まで掘り下げた往復書簡。
偽善的な甘ったるい友情を振りかざさない、自らの業と煩悩を包み隠さずに本音を語り合い魂を売った1冊。