引っ越しシーズンになると周囲から、様々なトラブルを
聞きます。
荷物を乱暴に扱われた、時間どおりにならなかったなど。
もちろん全部の業者が問題だとは思いませんが、もし
この「うごかし屋」が実際にいたら、そんな苦情はまったく
なくなることでしょう。
最初は引っ越し屋さんのありきたりな話かなぁと思いながら
読み始めたのですが、なぜタイトルが「うごかし屋」なのか
よくわかりました。
物だけじゃない。その人の心までも動かしてくれる連中が
うごかし屋でした。
引っ越しだけでなく小さなものまでも、依頼主の気持ちを
汲んで届けてくれる人達。
そこに「お金をもらったから」とか、「仕事だから」という
ような損得勘定はありません。
彼らを動かすのは「人情」。
日本の文学小説の一部があちこちに挿入されていたり、主人公が
その手の本を読んでいるというのも小技が利いていて面白
かったです。
引っ越しの依頼がたくさん入れば、次の約束がおしたりして
今やっている作業がうわの空、なんてことはプロとして
あってはならないことです。
けれどもそうなってしまっている業者が多いのもまた現実。
物を運ぶということ、物を動かすということ、そして
ひいては依頼主の心も動かすということ。
じっくり、うごかし屋の働きっぷりを眺めてみるのもいいのでは
ないでしょうか。