何と言うか、ヘタなお笑い芸人より笑える作品の第2弾。今回もユルユルな雰囲気と展開で、誤解されっ放しな邪神こと大沼クンの、本人にとっては悲劇、読み手にとっては喜劇を楽しむことができる。しかし、よくもまぁ思い付くものだと感心するネタのオンパレードである。作者は普段の生活の中で気付くちょっとした面白いことや、半ばお約束と化した設定や場面での決まり文句の可笑しさみたいなものがきっと大好きなのであろう。それらの事例を邪神に置き換えて面白可笑しく書かれた邪神マニュアルが今回も冴えている。そして、前巻以上にマニュアルと本編とを上手く絡めてストーリーにスパイスを効かせている。まぁ、そのストーリーが相変わらず無いに等しいのだが、それでも黒魔術を操る引きこもり少女に大沼クンが召喚されたり、邪神を治療できるらしい女医さん(これがまた実にノーテンキで笑えるお姉さん)にヘンテコリンな治療を施されたりする変化も生まれている。さらには、前巻にも増してユルく、あさっての方向に振られた大胆極まる結末。せっかく距離が縮まった学園のマドンナ【加奈】との関係を台無しにした前巻の結末もアレだったが、今回は違った意味で凄く、良い意味でヒドい展開になっている。これを邪神の雌雄を決するバトルと称して良いのだろうか。この勇気ある結末に賛辞を贈りたい。ただ、今回も皆無なうえに誤解が誤解を生んで可哀想な結果に至る大沼クンのラヴ方面に反して、大沼クンの友人【姉小路】と加奈との仲が何げに進んでいる気配を見せているのが由々しき事態なのだが、大沼クンはナナルートなのだろうか。ナナで良いのか?人外だぞ?スターターキットだぞ?と思ったが、そう言えば大沼クンも人外(邪神)なのでアリなのか。あと、全くどーでもいい余談だが、今回も出てくるドラゴンズネタ。作者が「ドラキチ」ならば是非握手したい、ハグでもいい。