ラダックで開発による変遷を見続けながら、グローバリゼーションへの警鐘を鳴らしてきた活動家ヘレナ・ノーバーク氏とスロームーブメントを提唱した人類学者辻信一氏。近代化が壊してきたものを熟知した2人による対談。
ヘレナ氏は、環境運動家がグローバル化するビジネスと共に歩む道をたどったことで、全体像が見えなくなったと指摘。貧困問題の解決策とみなされるフェアトレードやマイクロクレジットにも疑問の目は向けられる。
ではどうすればよいのか?ヘレナ氏の主張は明確だ。経済をローカル化すること。タイ、デトロイト、オーストラリア等の事例も紹介され、世界中に芽吹く希望が見えてくる。
ヘレナ氏と辻氏の立ち位置が似ているため、グローバル化幻想批判やローカル化の記述にやや具体性を欠く部分もあるが、国際協力、貧困、環境などに興味を持つ人には是非読んでほしい。自分が正しいと信じている理想や解決策が、実は幸せを減らしていないか、一旦疑ってみることの大切さに気付けるだろう。