とても興味深く読みました。
僕自身、20代の女性を雇って主に30〜40代の男性をターゲットにする商売もしているので、
実感として肯ける点も多かったです。
ただし、批判として指摘したい点があります。
本書ではキャリアを持った20代女性と、管理職クラスでバリバリ仕事をしている40代男性
がモデルの前提になっているように感じます(たびたびそのようなカップルが例として登場するので)。
しかし、20代では非正規社員(フリーター含む)の割合が高く、経済的に生活が不安定なため、
経済力のある40代男性と付き合う機会が増えている(つまり、不倫関係、愛人関係、援助の関係も高い割合で含む)
という現実の経済的問題や背景からカップルになりやすいのではないでしょうか。
20代女性は若さが経済的価値を生み出すことをよくわかっているので、
キャバクラで働くコもいれば、風俗で働くコもいます。
水商売や風俗で働いていない女性にとっても、自分を高く買う男性(高く買えるだけの資本力があることが前提)
をターゲットにするのは経済合理的な戦略であって、
相手の年齢は20代であろうが、30代であろうが、40代でもかまわないが、
同世代は非正規社員が多く、これではかりに結婚しても将来不安は解決されません。
(デートも割り勘で経済的なベネフィットがありません)
20代女性は、
結婚相手には将来の生活設計が立てられる安定した職についた男性を強く求め(年齢は不問)、
恋愛相手やセックスパートナーには、自分の価値(※)を経済的対価として高く買う男性を選んでいる、
というのが僕の周囲を通じて実感している考えであり、
この本には全く抜け落ちている視点です。
※)40代男性からすれば、20代女性のリアルな体(=セックス)にはとても高い価値をおくが、
20代男性はセックスまでもちこむコミュニケーションをとても面倒と考え、
女性を口説くためにお金をかけるぐらいなら、オナニーですませた方が
金も気もつかわなくて楽(らく)という発想になる
1万人調査の属性に「年収」というファクターからの分析があれば、
本書はもっと厚みのあるものになったのにというのが、残念な点でした。
非正規社員である息子や娘を、解雇されない安定した正規社員である親が経済的面倒をみているように、
非正規社員の20代女性を、正規社員の40代男性が(精神面だけでなく)経済面からサポートしている、
というのが今の世の中に広く蔓延している、現代的不倫関係の現実なのです。
全ては経済(カネ)ときってもきれないのです。
『風俗的マーケティング』『デリヘルの経済学』著者
モリコウスケ