脚本家、監督、役者、バンド、エッセイストと多面的な活躍をするいっぽう、渋谷のスクランブル交差点をボールペンを持って渡っていたら職務質問(これが初めてではないところがなんとも、らしいというか気の毒というか、運命というか/笑)される、ちょっと挙動不審にも見えるクドカン。あっ、ボールペンの件は12月に文春に掲載されていたエッセイです。
「テレビ」、「舞台」、「映画」、「音楽と日常」「かんぱ(幼児の愛娘さんです)」の「いまなんつった?」の4つのカテゴリーにわかれているので、とても読みやすいです。題名だけだと挑戦的な印象を受ける方もいると思いますが、そこはやはり「言葉」を生業としている方なので、脱力系の感じでわたしは読みました。
「ブクロサイコー!」では、これをよく書いてほしい人がいるそうなのですが、このセリフはクドカンは書いた覚えがなく、ある時、強面のアンちゃんたちに囲まれ、すわ!危機一髪と思いきや、上記のセリフを書いてほしいとリクエストされたそうです。
「舞台」では主演に三田佳子さんをむかえ会食のさいには、眠ってしまって、三田さんは「疲れていらっしゃるのね」といたわってもらったエピソードや、面白いエッセイだけでなく、ドラマの収録時間は48分だそうであるドラマではセリフを削っても削っても48分に収まらず、クドカンはどうしたか?出演者の方々に早口でセリフを喋ってもらったそうです。
また、四苦八苦してドラマの脚本を書いていると、愛娘のかんぱちゃんがやってきて「いま、なんわかいてるの?」(スゴイ!さすが脚本家のお嬢さんだけあります)との問いかけに「8話だよ」と答えるとかんぱちゃん「100わ?」のかえしに、内心、そんなに書いたらパパ死んじゃうからねにも笑わせて(失礼)いただきました。ドラマの第1話の監督をチーフデレクターといって、ドラマの世界観、たとえば、役者さんすべての洋服や小道具などを決めなければならないなど、興味深いエッセイもあります。
またハタチの頃に映画「どついたるねん」に感動し監督の出身地でもある大阪に行き、オロオロウロウロしながら居酒屋に入るとそこはおじさん達の酔っ払いで盛り上がっていて、クドカンも席につきますがなじめません。その時1人のおっちゃんがクドカンに言ったセリフ…は、買って読んでみてください。笑えます。また脚本を担当した「なくもんか」を家族でシネコンに観に行ったところ、クドカンの後ろにチケットを買うのを待っていた女の子たちがクドカンと安部サダヲの突拍子もない噂話しをして、内心ビックリするエッセイとかも笑えました。
あの細い体のどこに多方面に活躍できるエネルギッシュな才能があるのかわからないといっては失礼かもしれませんが、やっぱり才能と、人とコミニケーションするのが好きなのではないでしょうか?ホント面白くてまたためにもなって買って良かったと思いました。文庫本になっても買います。このエッセイの文字の大きさは読みやすかったので、文庫化のさいも小さい文字にしないでほしいです(切実)