香山リカと同世代の私は、この本を読んでいてある意味感慨無量だった。あらゆる面で圧倒的だった団塊の世代が去ったあと、私たちの世代は「三無主義」・「四無主義」(無気力・無関心・無責任 + 無感動)などと蔑まれてきた。「新人類」だとも言われてきた。しかし、その世代の代表者が、今やいまどきの若者や「常識」を批判する側に立ったのだ。
高校生や大学生、そして新入社員の頃、私はよく思ったものだ。「こういう風に非難を浴びせられるのは私たち世代の責任なのだろうか? それともこんな風に私たちの世代を教育をしてきた40代を中心とした大人たちのせいではないのだろうか?」と。つまりいまどきの「常識」とは、著者も私自身も含めた大人たちが作り上げてきた「常識」なのではないだろうか、と思うのである。
ところで正直なところ、私は本書が岩波新書だから購入した。ブランドとは信頼性であり差別化だと思っていたが、この程度の内容で岩波新書として出版されていることに納得がいかなかった。しかし考えようによっては、岩波書店といえども、この程度の発言が精一杯という世情なのだろうか?