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いまここに在ることの恥 (角川文庫)
 
 

いまここに在ることの恥 (角川文庫) [文庫]

辺見 庸
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

脳出血、そして大腸癌と、ある日突然、二重の災厄に見舞われた著者が、恥辱にまみれた「憲法」「マスメディア」「言葉」「記憶」…を捨て身で書き抜く、思索の極限。

内容(「BOOK」データベースより)

国家は人の内面に平気で入りこみ、資本、市場、マスメディアと情報消費者が共犯関係を結ぶ。日常のなにげないルーティンを養分にして今風のファシズムが蔓延する現代。そこに拭っても拭いきれない罪や恥のにおいを嗅ぎつける著者が、屍臭に満ちた薄暗がりの内奥に眼をこらし、躰のすみずみまで広がる恥辱の根源を問いただす。抗いがたい死の足音を聞きながら、突きあげる衝迫にかられてなし得た思索の極限。

登録情報

  • 文庫: 174ページ
  • 出版社: 角川書店(角川グループパブリッシング) (2010/4/25)
  • ISBN-10: 404341711X
  • ISBN-13: 978-4043417117
  • 発売日: 2010/4/25
  • 商品の寸法: 14.7 x 10.7 x 0.5 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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42 人中、40人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By eTMkawa
形式:単行本
本書には、私たちが内面に抱える宿命的な恥、
そしてそれを無意識のうちに忘却することが、
日本型ファシズムの進行を許してしまうことに激しく憤る、
エッセーと講演録が収められています。

著者の憤りは、著者に賛同し寄り添おうとする者にも向けられており、
読んでいて苦しくもなります。
例えば難民キャンプの現実を傍観すること、
戦中の生体実験に無邪気に加担すること。
まことに痛いところを衝く書物です。

後半の講演録は著者のこれまでの主張が、
ご自身の闘病体験も交え、より先鋭に展開されます。
一番の批判対象は、本来の役割を放棄したマスメディア、
次いで、鵺のような日本型ファシズムの蔓延を許し、
自ら自由な公共空間を捨てようとする我々です。
このレビューは参考になりましたか?
11 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
大半が講演内容を活字にしたものだが、得心しながら読み終えたことにわたしは恥じた。

自分自身は民主主義を標榜し実践しながら生きていると思っていたが本書を読んで打ちのめされた気分だ。

まさにタイトル通りであることに辺見氏へなんと申し開きができようか・・・。
このレビューは参考になりましたか?
36 人中、33人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
前作「自分自身への審問」が入院中の執筆物とすれば、本書は退院後の指針を示すべく論考集と言えそうである。前作では脳出血、癌という災厄につい目を奪われがちだったが、ここでは入院中から辺見を捉えてやまない「恥」という感覚に焦点が絞られ、我がこととして痛みをもって語られている。視座は不変にして旗幟鮮明である。オウム事件の際に提示したイナーシア(慣性)という摂理、つまり精神がイナーシアに支配されている時、「私」を失った身体は組織やシステムの指示者通りに動く機械と化す。およそ十年前に説かれたその摂理が、憲法改悪を筆頭として加速度的に進むファシズム化の中で拭い難い「恥辱」を養生していることに言及している。
やや観念的な「自分自身への審問」を経て、病後辺見はたとえば本文中に紹介される石川淳の「マルスの歌」のように文学的手法をもって時代とコミットするかと思っていたが、どうやら見当違いだったようだ。いまここに在ることの恥。評するのではなく我がこととして対峙するのを迫られる書だ。
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