先日、小朝の主催する銀座の落語会を聞きにいったが、そのとき貰ったパンフレットに紹介されていたので、手にとって見た。
一般にはほとんど知られていないが、落語界には落語界の根深い問題があるらしい。
前著「苦悩する落語」は2000年の上梓、落語界への問題提起が中心となっていたが、それから6年たった今、落語界はどう変わったのかが本書のテーマである。インタビューによる語りおろしで、読みやすい。
もちろん芸能界の裏話なので有名人のゴシップ的な面白さもあるが、それよりも小朝が落語界をどのように変えてきたのか、その奮闘振りが大変興味深い。
落語は伝統芸能であるにもかかわらず、歌舞伎や能楽などとは全く違ったポジションにある。しかもどちらかといえば長期衰退傾向だ。その原因は決して人々の興味が去ったからではなく、落語界の旧態依然とした習慣にある、という。
古典落語でありながら、古い習慣を打ち破り、新しい時代にあった形に変えていく。その姿勢はビジネス界でいう、まさにブレイクスルーである。だからビジネス書として読んでも、十分参考になる。古いものと新しいもの。問題はいずこも同じ、なのかもしれない。