各分野の第一線で活躍する知識人の解説する現状と未来について書かれているとともに、
ジャック・アタリの世界観も堪能できる1冊。様々な分野について書かれており、これ1冊で
ジャック・アタリが持っている世界観が俯瞰できる。すでにジャック・アタリの他の本を
読んだ人は、「ああ、これはあの本のここに書かれていた内容だな」と感じ取りながら、
ジャック・アタリの世界を再度堪能できる。また、初めてジャック・アタリの世界に触れる
人は、これを入門書として、本書の後に「21世紀の歴史」「カニバリスムの秩序」「ノイズ」
などに進むとより理解が深まっていく。すべての人にお勧めの1冊。
私個人としては、民主主義とは何か?貨幣とは何か?といった基本的なことを再認識
されたとともに、中東の未来は決して暗くないという希望を持たせてくれた。今回の
エジプトの民主化運動も本書の中で予言されている。また、科学の行く末や、それらと
家族との関係、また労働についても考えさせられ大変面白かった。様々な分野を論じた
最後に時間という概念をもってきたところが興味深い。
目次:
I部 世界
1章 民主主義
2章 国際安全保障の問題点
3章 暴力のない世界は考えられるか
4章 中東の平和は世界平和につながるか
5章 エイズ−求められる国際的連帯
6章 気候をめぐる諸問題
II部 経済と政治
7章 政治家の役割
8章 金(マネー)
9章 保険の未来
10章 法の未来
III部 科学とテクノロジー
11章 科学の将来をめぐる断想
12章 生命の未来
13章 科学−変わりつつある人格の概念
IV部 文化
14章 フランスの才能は果たして衰退しているのか
15章 変化する音楽界
16章 文学および演劇、芸術それとも娯楽?
17章 現代社会における無償(フリー)の新たな位置づけ
V部 社会
18章 女性の地位は世界中で低下しているのか?
19章 宗教は我々の行く末を規定するか?
20章 激動する家族と恋愛関係
21章 労働−新たな慣行、それとも新たな不安定さ?
22章 麻薬−気晴らしの極端なかたち?
23章 時間