1.内容
「二〇一〇年の春、チームを組んで取材を始め(中略)七月一九日から朝刊社会面に連載した」「『いま、先生は』」を「大幅に加筆したもの」(以上はじめに9ページ)。「教師の仕事の重さを追いかける」のが「この企画の狙い」だという。教壇を去る教師、やりがいは感じるが疲れている教師、死んでしまう教師、非正規の教師、など、教師の世界の大変さがわかる本。
2.評価
もちろん、「『教師ばかりがつらいんじゃない』」(p162)。しかし、教師は子どもに接する職業であり、今後の社会に影響を及ぼすので、まずはこの企画を素直にとって、教師の大変さに同情し、改善が必要という視点を持つべきである。一般企業より疲れていると感じている人は多いし(p5)、OECDの調査でも授業時間は短いのに勤務時間は多いし(p56)、など、(バイアスはあるのかもしれないが)現実を直視すべきである。この点で星5つ。ただ、試用期間1年につき批判的なトーンだが、どの世界でもあるものであること、p3のグラフがデータ不足である(たったの5年)、非正規の問題についてツッコみ不足に感じたこと、など、内容面でイマイチなところが散見されるので、星1つ減らして、星4つ。
3.特記
東京都におけるメンタルケアの取り組みなど(第4章)、改革=ダメで全否定をしているわけではなく、公平さはあると感じた。提言としては、教師の部活ストライキ(部活をするから余裕がなくなるわけで、教員にも問題があると感じた)が考えられるか。あと、とりわけ、学校に行っている子どもの保護者は、この本を熟読し、教師に対する配慮を忘れてはいけない。