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いのちを守るドングリの森 (集英社新書)
 
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いのちを守るドングリの森 (集英社新書) [新書]

宮脇 昭
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商品の説明

出版社 / 著者からの内容紹介

ドングリの木と森が自然と人間を守る!
いわゆるドングリの木と呼ばれるクヌギ、カシ、ミズナラなど日本古来の樹種を山に戻すことで、豊かな自然環境が日本に戻る。それが自然災害や地球温暖化を防ぐことにもつながり、人間を守るのだ。

内容(「BOOK」データベースより)

環境保全のために欠かせない樹木や植物。誰もがその大切さを知っているが、ただ植林をすれば良いというものではない。その土地本来の樹木(潜在自然植生)を見分け、それを主木として森を作ってこそ、地震や風水害に耐え、人命を守る防災・水源林の機能が備わるのだ。日本においてはいわゆるドングリと呼ばれる実をつけるカシ、ナラ、シイ、またタブノキなどの樹種がそれにあたる。なぜ土地本来の樹木からなる森が重要なのか、そしてそれはどう作ったらよいのか。日本、国際的にも植物生態学の第一人者である著者が自身の研究成果、経験をふまえて語る。

登録情報

  • 新書: 192ページ
  • 出版社: 集英社 (2005/1/14)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4087202771
  • ISBN-13: 978-4087202779
  • 発売日: 2005/1/14
  • 商品の寸法: 17 x 10.8 x 1.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.4  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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形式:新書
「そもそもドングリってなに?」と質問されて、ちゃんと答えられる人はどれぐらいいるのだろう。そしてタイトル、『いのちを守るドングリの森』。これだけ見たら少し疑問に思うかもしれない。「なんでドングリがいのちを守るわけ?」と。
いわゆる「ドングリ」というのはシイやカシの木の種子で、日本の土地本来の木であるという。杉やヒノキの林が昔からある緑だと思っていたら、実は大間違い。それらのほとんどが間違った土地に造林されたものというから驚きだ。
では、土地本来の木はどこにあるのかと言えば、それは神社などに代表される「鎮守の森」に残されているという。社寺を囲む鬱蒼とした深い、濃い緑がまさしくそれだ。一歩敷地に足を踏み入れると静けさと厳かさに包まれるような気がするのも、本物の森だからだろう。     
しかし、そんな本物の森も、現在、危機にあるという。日本、そして世界中で土地本来の緑が失われ続けている。緑がなくなれば、災害時の土砂崩れ、風水害、生態系の破壊や地球温暖化など、直接的・間接的にも人間への影響は計り知れない。
そんな中、著者が情熱をもって長年取り組んでおられるのが「植樹」。絶対的に豊富な知識・経験から導かれる植樹や自然保護の概念はシンプルだが、実に奥深い。土地本来の色々な木を植えることにより森の再生を目指しているが、日本における主役の木はまさにドングリの木であり、地震にも火事にも耐え抜き、私たちの命を守ってくれるという。本を読み終え、本物の森を増やさなければと強く感じた。
以前、著者の人生を描いた『魂の森を行け』(一志治夫著)を読み、その生き様や考え方に非常に感銘を受けたが、この本では更に専門的なことも学べる。もちろん、基本のドングリの絵も掲載され、形の特徴から木の種類を判別できるようになっていて、初心者にもぴったりだ。それにしても、これだけの内容を新書に収めたのはすごい。とにかく「濃い」一冊。
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形式:新書
筆者がもっとも主張したいこと、唯一それだけといって過言ではないのは、単に見栄えなどの点だけを考慮して外来の植物を学校や公園といった公共施設に植えるよりも、その土地に根ざしたその土地本来の木を植えた方がよく育つし金もかからないし、防災の役にも立つという主張である。

現在の人間的活動による干渉を一切中止してしまったときに、個々の地域の植物相が最終的にとる姿を潜在自然植生と呼ぶらしいのだが、それに合わせて、これから行う環境保全林、防災林の植樹選定も行うべきだというのである。

照葉樹林帯であればその地域に植えるべき主木はシラカシ、アラカシやスタジイなどとなるそうだ。

細かい部分では納得しかねるというか、言葉足らずではないかと思う部分もあるけれど、彼の主張がもつ説得力には感じ入った。実務家の持つ底力のようなものを純粋に感じる本である。

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形式:新書
 本書は、読者に日本各地の鎮守の森に残る「潜在自然植生」を活用し、自然が数百年の歳月をかけて育む本物の森を僅か15〜25年で再生する方法を教えてくれる。

 潜在自然植生とは、現在の人間の影響がすべてストップしたときに、そこの自然環境の総和が終局的に支え得る群落、植生のことである。この潜在自然植生は鎮守の森に残っており、鎮守の森を構成する多様かつ多層な樹種を植えることが、管理費がかからず半永久的に持続し、多彩な防災・環境保全、水源涵養の機能を果たす本物の森づくりであるという。

 「防災・環境保全林、水源林を形成する際、世界中の木を試験栽培して火にも風にも乾燥にも強そうなものを選び、それを植えるというアプローチがある。これは一見科学的かつ効果的だと思われるかもしれないが、机上の論理にすぎない。

 初めの五年か十年はうまくいっても、その後それらの木々が経験したことのないような台風や日照り、地震、火事が起これば、対応できないことが多い。

 日本では自然の揺り戻しとして地震や台風が周期的に襲う。最も間違いないのは、それぞれの地域の人たちが長い歴史の中で試行錯誤した結果、屋敷林や社寺林として残してきている、土地本来の森、すなわち潜在自然植生の主木群である。

 これらは何百年、何千年の間、台風にも地震にも火事に耐えて生き延びている。したがって、潜在自然植生の主木こそ、防災、環境保全林、今各地で叫ばれている水源林形成の主役として選ぶべき樹種群である」(いのちを守るドングリの森112ページ)。

 宮脇昭氏の提唱する本物の森づくりは、保守主義の哲学や軍事学の兵要地誌に通じており、私は本書を読んで大いに感激しました。
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