つい最近、双子の弟夫婦が2人目の自宅出産をしたということで、以前から興味があった著者の著作を読んでみました。
理性的認識に傾き、科学的にすべてがコントロールできるという現代社会と、そこに甘んじて安全に生きる現代人への批判が三河弁で痛快に語られています。特に従来の産科や産科医に対して、EBMという現代医学の潮流に対しては、ケチョンケチョンに否定しきっている。自然出産を2万例も命がけで経験した、人生の重みに裏打ちされた言葉には説得力があります。
出産という在家の修業を通して著者は宇宙の理を悟られているのだと思います。感性的認識を取り戻して、くちゃくちゃに生きる事、愛し合う事によって宇宙の理が働いてくる事。「死ぬものは死ぬ」という当たり前の法則から目を背ける、現代産科を受け入れることで「生まれる」という哲学が損なわれ、母子の情愛までも理性的認識にゆがめられている事。日々の繰り返しの中から、人間の所作や感覚に神が宿る事。などなど語られますが、核心は非常にシンプル、感性で生きよ、無為であれ、そこに宇宙の理が働くという主張、タオイズムを感じました。
前作「幸せなお産が・・・」の方が初めて読む読者には読みやすいかも、その後にこの本を読むと、著者の首長がすっと入ってきます。
私は男性なので著者の仕事や生き方に対する取り組み方(著者曰く、あぶないがおもしろい)が参考になりました。女性が読まれると、特に巻末の対談では、とかくネガティブに語られる出産の体験を、神聖な母子の体験として再認識できるのでは?私は出産はできませんが、もっと子供が欲しくなりました。