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いのちと放射能 (ちくま文庫)
 
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いのちと放射能 (ちくま文庫) [文庫]

柳澤 桂子
5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

私たちは原子力に頼っていて本当によいのか。なぜ放射性物質による汚染は、科学物質とは比較にならないほど恐ろしいのか。放射能によって癌や突然変異が引き起こされる仕組み、大人より子どもに影響が大きい理由を、生命科学者がわかりやすく解説。それでも核燃料サイクルへの道を突き進むエネルギー行政のありかたと、命を受け継ぐ私たちの自覚を問う。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

柳澤 桂子
1938年東京生まれ。60年お茶の水女子大学理学部を卒業し、アメリカに留学。分子生物学の勃興期に立ち会う。63年コロンビア大学大学院修了。慶應義塾大学医学部助手を経て、三菱化成生命科学研究所主任研究員として、ハツカネズミの先天性異常の研究を始める。30代より激しい痛みと全身のしびれを伴う原因不明の病に苦しみ、83年に同研究所を退職。病床で多数の科学エッセーを執筆。99年、クスリの新しい処方により奇跡的な回復をとげる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 文庫: 157ページ
  • 出版社: 筑摩書房 (2007/9/10)
  • ISBN-10: 4480423605
  • ISBN-13: 978-4480423603
  • 発売日: 2007/9/10
  • 商品の寸法: 14.4 x 10.6 x 1 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
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57 人中、54人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
なぜ放射性物質による汚染は、科学物質とは比較にならないほどに恐ろしいのか。
放射能が大人より子供に影響が大きい理由。
ニューヨーク州で500億ドルかけて造られた原子力発電所が、社会に与えた影響とその後。
それらについて、米コロンビア大で分子生物学を学び、帰国後先天性異常の研究に取り組んだ生命科学者の柳澤さんが、わかりやすく解説されています。

生命科学を研究してきた著者がはっきりと伝えたいことは、放射能の怖さです。

放射線は物質を通り抜ける強い力を持っていること。
放射線には、アルファー線、ベータ線、ガンマ線とあり、ガンマ線に限っては数センチの鉛板でないとさえぎることができないこと。
弱い放射能でも癌を始めとする様々な病気を引き起こす原因になっていると考えられていること。
一番恐ろしいのは、卵や精子の情報テープについてしまった傷は卵細胞や精子を通して未来永劫、子孫にまで伝えられていくこと。

原子力発電所で電気を生産するたびにに排出される放射性廃棄物の処理方法を誰も知らないこと。
全国55基の原発で発生した、貯蔵されている使用済み核燃料は2005年9月末で累積11570トンに達し、貯蔵能力の余力が少なくなっているため、青森県の六ヶ所村に再処理工場をつくって、使用済み核燃料の再処理を行い、プルトニウムを取り出す計画が立てられていたこと。
そして、その取り出したプルトニウムを利用するため、2010年までに16から18基のプルサーマルを行う計画を立てていたこと。
(しかし、その再処理工場は完成が何度も先延ばしされた上、今現在も本格稼働されていません。それに加えて、サイクルの要である高速増殖炉も事故が続いており、そのために費やされる研究開発に多額の投資がされています。原発はコストが安いとは言えません。)

高レベルの放射性廃棄物は、ガラスを溶かして混ぜて、ステンレスの容器に入れて地中に埋めるという計画があるが、放射能の寿命は長いので何万年もの間管理しなければならないこと。

まだまだ沢山の原発に関する問題点をこの本の中で指摘されています。
最後までこの本を読むと原発の安全性は架空のものであることがよく分かりました。
節度のある生活を心がけ、少しでも毎日の電気量を減らし、日本の原発に頼るエネルギー政策には反対をしていかなくてはならないと、強く感じています。

2005年に米国科学アカデミーは、低線量の放射線の影響について、世界初の大規模な疫学調査の結果を発表しました。
それによると「放射線被ばくには、これ以下なら安全と言える量はない」と発表したと伝えられています。
一人でも多くの方が知らなくてはいけない情報だと思います。
このレビューは参考になりましたか?
42 人中、40人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By nacamici トップ1000レビュアー
形式:文庫
チェルノブイリ原発事故から2年後の1988年に発表された本書は、生命科学者として放射能の恐ろしさについて伝えるとともに、「人間は原子力に手を出してはいけない」と警鐘を鳴らすものである。なぜ放射能は危険なのか、ビッグバンにより宇宙ができたのが150億年前、地球が形成されたのが46億年前、最初の生命が誕生したのが40億年前。いま生きている私たちは、長い星の歴史のなかでかたちづくられてきたものであることから説き起こす。60兆もの細胞からつくられた私たちの体は、長い年月をかけて生物から生物へと受け継がれてきた「情報のテープ」によってつくられ、生かされている。その大切なテープが「遺伝子」である。放射線はこの遺伝子を傷つけ、細胞のガン化や突然変異を引き起こす。福島の原発事故のあと、政府と東電、御用学者および多くのメディアは、「放射線は自然界にも存在している」ことをさかんに指摘した。「だからそれほど恐ろしいものではない」というわけだ。しかしこれは本末転倒である。生物にとって遺伝子を損傷する放射線は本来好ましいものではなく、その損傷を修復する能力のある個体が生き延びて40億年かけて進化してきたのだ。人工的な高濃度の放射線にたえるだけの高濃度の修復酵素をもった人間は、それこそ突然変異でもないかぎりいない。著者の言葉を借りれば「たかだか数百年の近代科学の歴史しかもたない浅はかな知恵」でもって、放射能との共存など考えるだけでもおこがましいのだ。著者は先天異常の研究者として放射性物質を実際に扱ってきた人物であるだけに、その主張には説得力がある。「ただちに健康に影響をおよぼすことがない」という政府の見解は、ある意味で正しい。本書を読めばよくわかる。弱い放射能はただちに計測できるような身体的異常を引き起こすことはないが、遺伝子を傷つけ、未来永劫、子々孫々の健康に影響を及ぼすのである。

「文庫版への長いあとがき」は、原発事故の歴史をざっと追ったジャーナリスティックな内容であり、その淡々とした事実の記録が福島原発をめぐる大量の報道に政治的文脈を与えてくれる。1995年の高速増殖炉「もんじゅ」でのナトリウム漏れ事故、1999年の東海村JOCでの臨界事故をはじめ、東電の89件もの事故隠蔽について触れている。そして六ヶ所村の核燃料再処理施設からは放射能が除去装置なく大気と海洋に放出され、その量は1日で原発1年分、職員の内部被曝も起っていると書かれている。さらに放射性廃棄物処分のための候補地は調査をさせるだけで最高70億円の補助金が出ることにも言及している。あとがきをふくめても150ページに満たない薄い本であるが、この国に住みながら放射能、原発についてこの一冊分の知識さえ持つことを怠ってきた自分を恥じる。
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23 人中、21人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By たつなり トップ500レビュアー
形式:文庫
わかりやすく書かれています。
私が手に入れたものには帯が付いていて
坂本龍一が「この本を読むと放射能がなぜ怖いかがよくわかる」
というようなことを述べたとあります。

さて、構成は宇宙の始まりからDNAといった辺りから始まり、
高校の生物を思い出すようなアデニン、シトシン、グアニン、チミン
という話もあります。
この辺りは、「ん??何でDNA」と思って読んでいくと、
結局放射能に被曝するとDNAの複製の際に語転写が起きる可能性に
及んでいきます。
それがどのような恐ろしいことを意味するかは言わずもがなな気がしますが
奇形とか突然変異とかが上げられています。

本文に差し込まれる詩(!!)が筆者の静かな口調に合っていて
かえって強い主張を思わせ、小さな本ですから、読み終えずには
いられない、力強い本です。

この際ですから読んでおくべきものと思います。
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