なぜ放射性物質による汚染は、科学物質とは比較にならないほどに恐ろしいのか。
放射能が大人より子供に影響が大きい理由。
ニューヨーク州で500億ドルかけて造られた原子力発電所が、社会に与えた影響とその後。
それらについて、米コロンビア大で分子生物学を学び、帰国後先天性異常の研究に取り組んだ生命科学者の柳澤さんが、わかりやすく解説されています。
生命科学を研究してきた著者がはっきりと伝えたいことは、放射能の怖さです。
放射線は物質を通り抜ける強い力を持っていること。
放射線には、アルファー線、ベータ線、ガンマ線とあり、ガンマ線に限っては数センチの鉛板でないとさえぎることができないこと。
弱い放射能でも癌を始めとする様々な病気を引き起こす原因になっていると考えられていること。
一番恐ろしいのは、卵や精子の情報テープについてしまった傷は卵細胞や精子を通して未来永劫、子孫にまで伝えられていくこと。
原子力発電所で電気を生産するたびにに排出される放射性廃棄物の処理方法を誰も知らないこと。
全国55基の原発で発生した、貯蔵されている使用済み核燃料は2005年9月末で累積11570トンに達し、貯蔵能力の余力が少なくなっているため、青森県の六ヶ所村に再処理工場をつくって、使用済み核燃料の再処理を行い、プルトニウムを取り出す計画が立てられていたこと。
そして、その取り出したプルトニウムを利用するため、2010年までに16から18基のプルサーマルを行う計画を立てていたこと。
(しかし、その再処理工場は完成が何度も先延ばしされた上、今現在も本格稼働されていません。それに加えて、サイクルの要である高速増殖炉も事故が続いており、そのために費やされる研究開発に多額の投資がされています。原発はコストが安いとは言えません。)
高レベルの放射性廃棄物は、ガラスを溶かして混ぜて、ステンレスの容器に入れて地中に埋めるという計画があるが、放射能の寿命は長いので何万年もの間管理しなければならないこと。
まだまだ沢山の原発に関する問題点をこの本の中で指摘されています。
最後までこの本を読むと原発の安全性は架空のものであることがよく分かりました。
節度のある生活を心がけ、少しでも毎日の電気量を減らし、日本の原発に頼るエネルギー政策には反対をしていかなくてはならないと、強く感じています。
2005年に米国科学アカデミーは、低線量の放射線の影響について、世界初の大規模な疫学調査の結果を発表しました。
それによると「放射線被ばくには、これ以下なら安全と言える量はない」と発表したと伝えられています。
一人でも多くの方が知らなくてはいけない情報だと思います。