あるいなかの村でひとりの男が村長選挙に出ることになった。
この男はすごくまじめで、村民のことを一番に考えている。
それだけがとりえで他になにもない男である。
村会議員であるが、金もない、コネもない、学歴もない、選挙を手伝ってくれる人もいない。
それに対して対抗馬は元助役である。
金もコネも学歴もある、村民の半数が関係している地元の二大企業・土建屋と材木屋、それから村議会議長の応援もある。
これではどう見ても勝ち目がない。
ところが選挙のおもしろいところである。
意外なことに、この男の奇妙な選挙活動が功を奏し始めて…
やっぱり選挙はおもしろいのだ。
やる人間、応援する人間を夢中にさせるものがあるのだろう。
この小説はいなかの選挙が中心ではあるけれど、そこに人間の機微を加えたおもしろい物語に仕上げられていて、読み進むうちにドンドン引き込まれていく。
何か非常に考えさせられる部分もある小説である。