普段から雑誌を読まず、単行本のみでいくえみ作品を楽しんでいる自分だが
この作品は自分のPC環境の関係でWEB版を見ることが出来ないため、特に単行本化を楽しみに待っていた。
しかし、読後の感想は正直言って「WEBで読めていたら、コミックスは買わなくても良い作品」だった。
キャラ造形や話の運びの基本はいつもの通りなのだが、何しろ展開が遅い。
連載一回分のページ数がかなり少ないせいもあると思うが、同様のページ数で連載されていた「カズン」と比べても明らかに情報量が少なく
単行本1冊使っても普段の連載の導入部分くらいしか話が進んでいない。
初出がWEBコミックの為なのか、コマ割りが紙媒体の時よりも大きく、書き込みも甘い。
ページをめくってもめくっても話が進まず、作者の持ち味であるたたみかけるような心理描写に欠けるため
キャラに愛着を持つ事もできず、次の展開への興味を引かれない。
この内容で次のコミックスが出るまで年単位の時間がかかるとなると、高校生の暴力という題材も相まって
数ヶ月や一年待って追いかけたいと思うほどのテンションを保つことは、自分には出来そうもない。
(そもそも、この連載ペースは、こういった社会問題、時事問題的な側面を持つ題材を扱うには不向きではないだろうか)
単行本読みのみの自分には全く向かない作品だった。
同じ話でも、半分のページ数で話が進んだり、紙雑誌連載のペースでコンスタントに続きを読む事が出来れば
印象も変わってくるかも知れないとは思うのだが。
装丁は良かった。