奈落の底の傍観者こと、鈴木いづみのアフォリズム集。ショッキングピンクの全集を揃えている人も、十二分に満足できる内容といえるでしょう。
今でこそ、うつ病やら依存症などの、いわゆる底打ちの存在が一般的に認知されつつあります。でも、彼女はそうではない時代に慢性的な底打ち状態を生き、その絶望や違和感さえも冷徹に見つめ続けるという、離れワザをやってのけていたのです。
そんな崖っぷちから、孤独や逸脱を恐れるあまり、知らぬ間に自分を欺きながら無難に生きる(特に女性の)愚かさを、リズムのある言葉運びでバッサバッサと斬り捨てていく様の鮮やかなこと。
彼女のように、自分の美意識にひたむきすぎるほど忠実で、孤独を全うしようとすると、自殺という殉死が伴わざるを得ないのでは?と思いたくなったりする人もいるでしょう。ですが、これを一読すると「いや、そんなことないはず」と、逆にバランスを取り戻す作用を感じるから不思議。
世知辛い今を生きる、女性達に特にオススメです!きっと、強く共感できると思いますよ。