実力のある作家さんらしく、「何もかもを投げっぱなし」という印象は受けなかったが、
中途半端の感は否めない。
この物語はレーレとユユの話だったはずだが、その辺もまったく書き切れていなかった。
特に、ユユの才女という設定が全く生かせておらず、死んだまま終わっている。
これならば、脳天気なだけの萌え系の馬鹿女でも十分、劇中で役割をこなせたのではないか。
生かせていたのは、レーレの「なんか知らんけど滅茶苦茶強い」という設定だけで、言うまでもなく陳腐きわまりない。
「あまりモノを考えない莫迦が大きな力を持っているとどうなるか」という部分は良くかけていたかもしれない。
世界観の設定も、ガッツリ組み立ててあるわけではなく
最後まで読んでみれば、甘い作りという印象が濃かった。
レーレとユユが幸せに旅立ちました、というのは良いのだが
では「物語最初から何が変わったのか」というと、あまり変わっていない。
世界構造の問題点を何らかの形で解消する必要があったと思うのだが、その点も実際的には何も解決されないまま終わってしまった。
(※最終刊に突然ラスボスがぶち上げた陰謀を阻止するのは、「問題を解消した」とは言わない)
最後まで読んでみれば「ツンデレのユユが色々あってデレた」というだけの話で、
そのためだけに5冊の本を費やしたのかと思うと、十文字さんは何を書きたかったのか、という疑問が芽生えた。
シリーズ全体を通して評価として、その辺の残念感を込めて★2にした。
凡百のラノベ作家と比べれば、本来は★3くらいはある小説だろう。