芭子と綾香。谷中で新しい生活を始めた二人には、誰にもいえない過去が
あった。いつの日か胸を張って堂々と生きていける日が来ることを信じ、
前向きに生きる二人の女性を描いた作品。
償いの日々は終わっても、心が晴れることはない。そんな切ない日常の
中、希望を見つめることだけは忘れない。芭子と彼女の家族との関係、
綾香の犯した罪など、考えれば心が重く沈んでしまいそうなこともある
けれど、二人の明るさには救われる思いがする。どちらかがくじけそうに
なったときには、どちらかが励ます。そんな持ちつ持たれつのほほえましい
関係が、ずっと続くといいと思う。これから二人がどんな人生を歩んで
いくのか、それを静かに見守りたい。「ボクの町」「駆け込み交番」で
おなじみの高木聖大巡査も登場し、この作品にほのぼのとした雰囲気を
与えているのもよかった。