たまたま古書店で手に取った。それで読んだが…最低30回は読んで、最低200回は涙した。単純に「素晴らしすぎる」のだ。遠藤先生のエッセンスがぎっしり。
「ぐうたら姫」シリーズだけの文庫ではない。おしまいまで遠藤節である。
遠藤さんらしく、コミカルでかつ、少し泣けて…打ちのめされた。こんな悲しく面白い作品群、なかなかお目にかかれるものではない。
「存在意義がないと生きていかれないのかよ」…どんな感動物語を作ろうと、遠藤先生はあくまでクールなのだ。ドライで情熱的で、かつ物静かで…こんな私の貧しい語彙では表せないほど、本書は素晴らしい。
ふと思いだした。デペッシュ・モードの「Personal Jesus」…「手を伸ばして、真実に触れるんだ」…真実は我々と遠いようで、意外に手が届きそうなところにある。しかし我々は真実になかなか触れようとしない。怖いからだ。どんな奇麗事美辞麗句を並べたところで、やはり我々はなかなか目の前にある「真実」に、恐ろしくて、手を伸ばせないのだ。
だが、この文庫は静かに語っている。「そしてみんな末永くしあわせに暮らしました」既成の安っぽいベストセラーコミックとは正反対に、押し付けではなく、淡々と我々に遠藤先生は涙を拭いてくださる。
もっと早く生まれたかった。そして本書の中の作品群をリアルタイムで読みたかった。はっきり言って、悔しい(80年代生まれの私は)。
こんな素晴らしい作品を受け入れることができる方の中には、善人も悪人もいるだろう。確かに性悪人にも本書は読めるだろう。だがそれが何だというのか。悪人がマンガに感激して涙してどこがいけないのか。遠藤先生はそんな心の狭い方ではない。
Reach Out and Touch FAITH.