残念ながらこの映画の世間的な評価は、実はそんなに高くない。深作ファンの間でも、これは相対的にはそれほど買われていない部類の作品だ。そりゃ確かに、パーフェクトな映画じゃないだろうし、若い世代の描き方にリアリティーがなさすぎるというか、後年の『バトル・ロワイアル』の時ほど、若い連中に共感だとかそういったものを抱いてみようというような意志自体、あまり感じられない。しかし、それでも好きなんですよ、オレはやっぱりこの映画が。
何度も観ていると、ド派手なアクション・シーンばかりではなく、東映時代の諸作品を思わせる、美術の細かい部分へのこだわり(安岡力也の“靴屋”の中の仕掛けなど、日本の映画でここまでやっているとは…!)、ショーケンの仲間のうちで最も地味な石橋蓮司、ヤブ医者役の六平直政など、きわめて地味にそこにいる助演陣たちの仕事ぶりなど、後付けのツボがいくつも現われてくるところが、これまたたまらない。何よりこれは、70年代に次々に撮っていた頃とは違い、本当に久しぶりの現代アクション映画で、そんな中で「まだまだやれるぞ!」というところを見せてくれた一作、というところに値打ちがある。もしこれが当たっていれば、深作欣二のフィルモグラフィーの90年代の項には、もっとさまざまな作品名が綴られていたのかもしれない……。
なお、この映画はJUDY AND MARY結成のきっかけを作った作品としても知られている。ここで比較的大きくフィーチャーされているバンド、ジャクスン・ジョーカー―現在は解散。劇中、全員セリフあり―の一員だった恩田快人が、エキストラとしてロケに参加していたYUKIと出会ったことが、その起点。そのバンドの劇中での演奏曲は、エンディングを飾るショーケンの「ラストダンスは私に」と共に、サントラ盤でも聴くことができる。