日本刀には、妖気というか霊気があるように、いつも感じます。
それは、美術品ももちろんですが、通常使用する無銘の真剣も含めてです。
目的が人を殺めるための道具、そして自らの手で命を絶つ道具として、
拳銃も撃ったことがありますが、比ではありません。
長曽禰興里、後に虎徹と呼ばれる刀鍛冶の一代記です。
強盗や権力争いを絡ませて、身内の問題等、ストーリーも飽きさせません。
圧倒されるのが、その専門的な技術の説明ととても緻密な描写です。
そして登場人物の仕事に対する一途さと矜持です。
日本人は、昔から「マニアック」だったと言うのがよくわかりました。
それにしても、昔の人は偉大です。
鉄の組成分析をできない時代に、体と経験で分析してしまうのです。
作者には、頭が下がります。
NHKのプロフェッショナルが好きな方に、お奨めです。