生い立ち故に子どもの心のまま、肉体だけ成長してしまった古白が、
ついにいちこへの恋心を自覚するこの巻。
「お母さん」のように慕っていたいちこを、
「女」として欲しがってしまった自分を自覚することで、
古白は否応なくいろんな戸惑いを抱えていくことになります。
自分の中で持て余すほどの「男」としての欲。
どうやって触れていいかも分からず、またどうやって近づいたらいいか、
どうやったら守れるかさえも分からずに、ひたすら壁にぶつかっていく中で、
閉じこもりきりだったはずの古白が、少しずつ周囲に目を向け、
止められた時間を動かすように、ゆっくりと成長していきます。
またいちこも、古白の不器用な想いをぶつけられ、
時に救われ、時に傷つきながらも、
想われる難しさを学び、それでも少しずつ古白を意識していきます。
全体的に心に傷を追って歪んでしまった人々の再生の物語っぽい雰囲気なので、
やっと、二人はここでスタートラインに立てたのかもしれません。
とりあえず、自分の中の「男」を自覚した古白が、
どうやって歳相応の「男」の心に成長していくのか楽しみにしています。
いちこちゃんもね。