まだ第1巻目ですが「これは絶対面白くなる」と確信できます。単行本で改めて読み、私は既に5つ星付けました。
「花とゆめ」2008年23号に、少しずつ体調を戻しながら復帰の準備をしているとの、高尾先生からの一言メッセージがありました。復帰を心待ちにしています。
高尾さんの作品は一話ごとに読者を満足させつつも、最後の最後で一番大きなテーマで一気に惹き付ける処があるので期待を裏切りません。
アンドロイド物(『人形芝居』)、逆歳の差(『ディアマイン』)、忍モノ(『てるてる×少年』)、タイムスリップ物(『ゴールデン・デイズ』)と言葉で言う程簡単ではありません。また新境地を拓いてくれました。
揺るぎない人気と支持を獲得した作家にとって一番難しいのは「前作より面白いものを描く」と云う事だと思うのですが、その意味で「高尾滋」は、現役の少女漫画家の中で私にとってNo.1作家です。
家出中の「子供の姿が見えない」少女・宇佐見一子(いちこ)、15歳。彼女を拾うお面の少年・古白(こはく)。
連れてこられたのは
木戸古白
緒方健(たける)
谷春香
藤博直哉
が同居する不思議な家。
この第1話時点で既に面白かったのです(単行本には雑誌掲載時にはなかったページが一枚描き加えられています)。
姉との「償い」のメールのやりとりが始まる第5話まで採録です。
古白のお面に少し迫る第6話は未採録です。
人を好きになることによって生まれる「不幸」があり、誰かと誰かが愛し合うことによって不幸になる者が現れれば、その歪みが「罪悪」となるのかもしれません。
ならば「禁欲」とは「誰も愛さない」ことではなく、逆に「愛すること」が償いとなり、善としての無欲にも繋がるのでしょうか。
そして「禁欲」と「無欲」は同義語ではありません。
生理的にも欲望に忠実すぎるくらい忠実な1〜2歳の「子供」の存在がキーになるような気がします。
人として「大切にしたい」気持ち、というものが描かれた、本当に温かい作品です。